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自公過半数割れ、野党大躍進にも素直に喜べないワケ(ラサール石井/タレント)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月31日 9時26分

自公過半数割れ、野党大躍進にも素直に喜べないワケ(ラサール石井/タレント)

裏金問題が響いた…?(石破首相)/(C)JMPA

【ラサール石井 東憤西笑】#228

 衆院選の結果が出た。予想を大きく上回り、自公で過半数割れ、という大逆転。「自民党にお灸をすえる」どころか、政権交代まで考えられる歴史的結果となった。野党は大躍進。なのだが、何かもろ手を挙げて万々歳、という気持ちに素直になれない自分もいるのだ。

 確かに私がこの世で2番目に嫌いな政治家、甘利明氏は落選した。3番目に嫌いな下村博文氏も落ちた。そもそも議員として認めたくなかった杉田水脈氏は立候補もしなかった。実に喜ばしいはずなのだが、その裏で萩生田氏はからくも当選した。なんとしぶといことか。もはや「ハギューダ」という名のエイリアンのような生命体ではないのかと思うしぶとさだ。

 大幅に議席を増やしたのは立憲民主と国民民主。しかしあまりうれしくないのは、この人たちが過去の自民党と真っ向から対立していたわけではなく、「隠れ自民党」「第2自民党」に限りなく近いのではないかという疑念が拭いきれないからだ。

 れいわ新選組が9議席と3倍増したのは良かった。しかしそもそも今回の争点である裏金問題、2000万円問題をスクープした赤旗を発行している共産党が議席を減らしているのは、何とも解せない。いよいよ私が前から提唱している党名変更など、検討し始めるのもよいのではないか。

 維新も議席を減らした。これは喜ばしいのだが、大阪だけは全区で維新が独占するという何とも気持ちの悪い結果。以前から私は大阪は悪のはびこるゴッサムシティーだと言っていたが、今や独立国家のような状態だ。大阪のマスメディアは連日維新を持ち上げ、大阪府民はローカルのワイドショーしか見ないから(大阪生まれの私も子供の頃はこれが全国ネットだと思っていた)、キャスターが吉村知事に「ここで吉村さん総選挙出てたら総理大臣あったんじゃないか」と意味不明な質問して本人もまんざら否定しないなんて光景を見せられているのだから驚く。

 各議員としては、川内博史氏の当選、たつみコータロー氏の復活は喜ばしい。また前回落選してから辻立ちなど地道な活動を続けていた元グラドルの森下千里氏。私もTVや舞台で多く共演したが、今回当選おめでとう。決して今井絵理子、生稲晃子の路線ではなく頑張って欲しい。以前私の知り合いが飲み屋で隣席になり、とにかくずーっとお金の話をしていたと呆れていたが、ビジネスに興味を持つのは悪いことではない。しかしこれからは政治を語ってもらいたい。少なくとも女性議員の研修旅行には参加しないほうがいいのではないか。 

(ラサール石井/タレント)

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