元「相棒」と明暗クッキリ…反町隆史「オクラ」の不発は“凸凹コンビではない”にあり
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月1日 9時26分
ワイルド感はあるけど…(C)日刊ゲンダイ
元「相棒」の明暗がクッキリ分かれてきた。秋ドラマの水谷豊(72)主演「相棒 season23」(テレビ朝日系=水曜夜9時)と、反町隆史(50)の「オクラ 迷宮入り事件捜査」(フジテレビ系=火曜夜9時)。
ご存じの通り、反町は2015年のseason14から2021年のseason20まで水谷の“相棒”を務めていたが、今期は同じ「刑事もの」「バディーもの」でガチンコ対決となっている。
「オクラ」は初回の世帯視聴率こそ7.8%(関東地区=ビデオリサーチ調べ)とまずまず好発進だったが、2話目で5.8%にダウン。対する「相棒23」は10月30日放送回も10.7%と2ケタをキープしている。レビューサービスFilmarksでの評価も「オクラ」が5点満点で2.8に対して「相棒23」は3.7と、視聴率も評価も大きく差をつけられてしまった。
「そもそも『相棒』は“ラスボス級”の人気シリーズですから、そう簡単に太刀打ちできるわけもありませんが、TVerのお気に入り登録数も『オクラ』の66.5万(10月31日現在)に対して『相棒23』が79.9万。あまりリアタイ視聴しない比較的若い世代の支持率でも、水谷さんに軍配が上がっています」(テレビ誌ライター)
「オクラ」のレビューを見ると、《脚本がひどい》《粗すぎる》《ベタな展開》なんていう書き込みが少なくない。それもあってか、《反町さんがかわいそう》なんて出演者に同情する声も。こと脚本に関しては、「相棒」シリーズは、これまで“生みの親”の輿水泰弘氏に始まって、「コンフィデンスマンJP」シリーズ(フジ系)の古沢良太氏など、それこそ何十人もの脚本家が関わってきている。
「お話が練りに練られているので、他の刑事ドラマとは一線を画している。だからこそ長寿番組になったわけですが、『オクラ』がイマイチ不発なのは、脚本のせいばかりとは思えません。ひとつあるのは、キャスティングの問題でしょう」と、番組制作会社プロデューサーはこう続ける。
「バディーものでは2人の違いを明確にするのが一般的。見た目で言えば身長が高い、低いといった体型とか、男女とか、性格的に大雑把か細かいかといった感じです。ありがちと言えばありがちですが、凸凹コンビにした方が視聴者もキャラを理解しやすくて見やすいし、ストーリーが入ってきやすいんです。『相棒23』なら理論派の右京さん(水谷)に、肉体派の亀山君(寺脇康文)と、それぞれキャラが際立っています。『オクラ』の反町さんと、ダブル主演の杉野遥亮さんは、キャラの性格も世代も違うんですけど、2人ともシュッとした細面のイケメンで、割と似通っている。2人ともいい役者さんですけど、見た目の凸凹感は薄い。コンビの組み合わせの問題ですよね」
反町の方がよりワイルドな感じはするが、言われてみれば確かにそうか。ある中堅脚本家も「正直、ライターとしてもはっきりした凸凹コンビの方が書き分けやすいですし、お話が作りやすい」と口を揃える。まあ「オクラ」はあえてバディーものの“常識”に挑戦したのかもしれないが……。
◇ ◇ ◇
以前から囁かれている、「相棒」シリーズは水谷&寺脇コンビで有終の美という声。●関連記事『【もっと読む】「相棒」は水谷豊&寺脇康文で“有終の美”? テレ朝にのしかかる長寿シリーズ頼りきりのツケ』では、「相棒」に頼りすぎた弊害について伝えている。
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