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読書をすると成績が上がるが、読書時間は長くない方がいい

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月1日 9時26分

読書をすると成績が上がるが、読書時間は長くない方がいい

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「読書の秋」といわれますが、読書をすると成績が上がるという静岡大学の調査データがあります。

 この調査は文部科学省の委託を受けて、小学生約114万人、中学生約107万人を対象に行われました。児童・生徒の読書活動やテレビ活動、ゲーム活動、学習活動に加え、学校の読書環境や指導方法も調査し、国語・算数などの教科の学力とどのような関係や影響があるかを明らかにしています。

 まず、「読書好きか?」という質問に対する回答と、テストの正答数を比較すると、どの科目でも平均正答数は、「肯定」「やや肯定」「やや否定」「否定」の順に奇麗に多くなり、読書が好きな人ほど正答数が多いことが分かりました。

 ただし、「どれだけ本を読むか?」という評価軸になると、少し話が複雑になります。平日の読書時間について質問した回答の選択肢は、①2時間以上②1時間以上2時間未満③30分以上1時間未満④10分以上30分未満⑤10分未満⑥なし--の6つに分け、正答数と比較。その結果、必ずしも①や②のように読書時間が長い人の成績が良いとは限らず、適度に読書をする③や④に成績優秀な人がいる山なりのグラフ結果になりました。

 これは一日の読書に使える時間が関係していると思われ、2時間以上を読書に割くと、当然勉強する時間は減るため、正答数の低下につながったと考えられます。また、「10分以上の読書をする生徒は、ほとんど読書をしない生徒よりも学力が高くなる」傾向も見られたといいます。

 本調査のまとめでは、「読書活動の直接的な影響は、基本的にはかなり小さい。ただし、読書活動は学習活動に大きく影響しており、それが間接的に教科の学力にも影響している」と位置づけ、読書活動の有効性をうたっているほどです。

 読書には、勉強で疲れた脳をリラックスする効果はもちろん、自分の学力を伸ばす上で、適切な勉強のやり方を学んだり、自分で考えたりする力を伸ばす“学びを得られる間接的な影響”が多いというわけです。勉強する習慣がある方でも、気分転換や勉強以外の学びを得るための方法として、読書はオススメなのです。

 ちなみに、ゲームよりも読書の方が頭が良くなるのでは? と思われがちですが、慶応大学の田中による1万5000人を対象にした大規模調査(2020年)では、「平日にゲームをやる平均時間が1時間」「1時間未満」の人は進学実績が良いことが分かりました。つまり、ゲームをすること自体は、適度に脳をリラックスさせることにつながりますから決して悪いことではないということです。問題なのは、勉強時間がなくなるほどひとつのことに熱中してしまうことなのです。

 読書はもちろん、ゲームなどで上手に気分転換すれば、勉強の一助になってくれるということ。他の趣味でも同様の効果があると考えられますから、30分~1時間ほどの自分だけの時間をつくると◎。せっかくの読書の秋。読書に耽って、新しい学びをインプットしてはいかがでしょうか。

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