トヨタやユニクロですら「誰も注目しない時期があった」事実が映す株式投資の本質
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月2日 9時26分
この話をすると、「それは戦後間もなかったり、日本が急成長していたりした昭和の時代の話じゃないの? 現代だとそんな企業は生まれないでしょう」といった諦めの言葉も聞こえてきます。そう思ってしまう気持ちはわかりますが、実はそんなこともないのです。
1994~1996年に上場したソフトバンクグループやファーストリテイリング、ヤフー(現LINEヤフー)などの誰もが知る有名企業はいずれも、安値から高値までは100~500倍弱になっています。
ちなみにこれらの企業が躍進したのは、日経平均株価が1989年の史上最高値をつけたあと、約20年かけて8割下がるバブル崩壊の時期でした。このときに個別株投資ではなく、株価指数と連動する「インデックス投資」をしていたら、最大で8割下がっていたのです。
また、TOPIXなどの株価指数を上回るパフォーマンスを目指す「アクティブ投資」といわれる投資信託では、「8割がTOPIXに負けている」という事実もあり、「年間1%でも勝ったら優秀」ともいわれています。とすると、やや乱暴な表現にはなりますが、投資信託を買うより、目を閉じて適当に『会社四季報』をめくって、銘柄を選んだ方が、よほど勝つ確率は高いのではないかと思ってしまいます
▽渡部清二(わたなべ・せいじ)複眼経済塾 代表取締役・塾長
1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券入社。野村證券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最終ページまで読む「四季報読破」を開始。25年以上継続しており、2024年秋号の『会社四季報』をもって、計108冊を完全読破。2013年野村證券退社。2014年四季リサーチ株式会社設立、代表取締役就任。2016年複眼経済観測所設立、2018年複眼経済塾に社名変更。清泉女子大学にて就職講座を6年担当するなど、投資家以外への教育にも熱心に取り組んでいる。『会社四季報の達人が教える10倍株.100倍株の探し方』(東洋経済新報社)がベストセラーになり、その後著書多数。
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