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肝膿瘍の疑いで即入院…元たまの石川浩司さん「危なかったんだなぁ」【独白 愉快な“病人”たち】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月4日 9時26分

 退院のときに初めて知らされたんですけど、救急で運ばれてきたときは、天に逝っちゃうかどうか50対50だったそうです。危なかったんだなぁと思いました。でも、病名がわからないから、何をどう気を付けたらいいのかわからないんですよ。

ファンとの握手も痛い

 その後、「肝膿瘍の疑い」に関しては何事もないのですが、還暦過ぎると次々に体に不調が出てくるもんですね(笑)。今年になってから糖尿病の数値が高くなってしまい、かかりつけ医から別の大学病院を紹介されて行ってきました。いつもより強めの薬が処方されて、1カ月ほどで正常値に戻ったのでそれはよかったんですが、その後、手首が痛くて動かせなくなってしまい、整形外科で「石灰性腱炎」と診断されました。腱についている筋群に石灰が沈着して炎症を起こす病気です。おかげさまで、薬を飲んで1週間ぐらいで治りました。が、さらに今年3月ごろから指先がしびれて握力がなくなってきたんです。

「これは手首と関係あるだろう」と思って再び整形外科を訪れると、「これは石灰性腱炎とは関係ないです」と言われ、頚椎の神経からきているもののようでした。薬を飲んでも良くならないので、昨日は鍼灸院に行ってきました。昔から肩こりがひどいので、長年のこりが原因なのではないかとマッサージと電気治療を受けまして、1万円ほどかかりました。保険が利かないんですよね。でも、「毎週来てください」って言われちゃって、ちょっと困っています(笑)。

 今のところ両手とも親指と人さし指は大丈夫なので、なんとか太鼓やギターは弾けます。でも、右手でペットボトルの蓋は開けられません。まだそのことを誰にも公表していないので仕方がないんですけど、じつはファンの方との握手が痛いんです。ギリギリ耐えてますけど(笑)。

 若いときは寝たら回復できたものが、年をとってそうもいかなくなったんじゃないかと踏んでいます。次は何がくるかなって感じ。まあ、うまく付き合っていくしかない。神経質になっても仕方ないですしね。

 もしかしたら天に逝っていたかもしれないと聞いて、タイムリミットはあるのだと強く感じました。大切な一日だから愉快に楽しく過ごそうって思っています。

 思えば子供の頃の高熱で、「この子は助からないかも。助かっても脳障害が起きるかも」と言われたこともあったんです。だから、幼少期の目標は「還暦まで生きる」でした。もう60歳過ぎた今は余生ですよ(笑)。

(聞き手=松永詠美子)

▽いしかわ・こうじ 1961年、東京都出身。89年、テレビ番組のアマチュアバンドコンテスト「三宅裕司のいかすバンド天国」に4人組バンド「たま」で出場してグランドイカ天キングを獲得。翌年「さよなら人類」でデビューし、「NHK紅白歌合戦」にも出場した。2003年にバンドは解散し、現在はソロ活動と、映画やテレビドラマの音楽を担当するバンド「パスカルズ」を中心に活動。ほかにもさまざまなジャンルのバンドで活躍している。自身が「たま」の結成から解散までを書いたエッセーをコミック化した「『たま』という船に乗っていた/さよなら人類編」と「同題/らんちう編」もある。

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