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ソフトB和田毅が引退発表…元広報が見た「走りまくり」の現役生活《僕がこれまでやってきたことは間違いじゃなかった》

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月5日 11時52分

ソフトB和田毅が引退発表…元広報が見た「走りまくり」の現役生活《僕がこれまでやってきたことは間違いじゃなかった》

和田(C)日刊ゲンダイ

 ソフトバンクの左腕、和田毅(43)がユニフォームを脱ぐ。

 球団が5日、現役引退を発表。「松坂世代」で唯一の現役選手として今季は8試合の登板で2勝2敗、防御率3.76の成績を残したが、度重なる故障に見舞われ、ポストシーズンでの登板はかなわなかった。

 球団は来季も契約する意向を示してたものの、自ら22年間の現役生活に幕を降ろす決断をした。日米通算165勝。179センチ、81キロの細身の身体で43歳まで投げ抜いた左腕を間近で見てきた元広報の田尻一郎氏は、日刊ゲンダイで連載中の「ホークス一筋37年 元名物広報が見た鷹の真実」の《和田毅の巻#1》で、こう書いていた。

  ◇  ◇  ◇

 杉内俊哉(現巨人投手コーチ)と共に、左腕の二枚看板として他球団に恐れられた選手、それが和田毅(43)です。

 早大時代に江川卓さんが保持していた443奪三振の六大学野球記録を塗り替える476奪三振をマーク。2002年には早大の春秋連覇に貢献した、押しも押されもせぬ大卒ナンバーワン左腕。ドラフト自由枠で入団した1年目から14勝5敗、195三振、防御率3.38とずばぬけた成績を残せたのも不思議じゃありません。

 最初に二軍施設でキャッチボールを見た時の「腕が遅れて、ボールがピュッと出てくる」独特のフォームの印象が強かったのですが、すぐに僕の中のイメージは「走る選手」に変わりました。新人の頃から、走る量は並の選手の2倍じゃ利かない。3倍は走っていたと思います。入団して3年目の頃には、すでに首脳陣から練習を一任されていたほどです。

 もちろん、それでも手は一切抜かない。個人トレーナーを雇い、全体練習が終わった後も、延々と400メートル走などをしていました。

 11年オフにメジャー挑戦し、15年オフにホークス復帰。そんな時、和田が「僕がやってきたことは間違っていませんでした」と話したのを覚えています。

 詳しく聞くと、和田はこう言いました。

「米国の選手って、あまり走らないイメージがあるじゃないですか。ウエートトレーニングとかマシンを使った練習とか、そんなのばかりって世間では思われてますよね? でも、彼らは早朝、誰も見ていない時間に走っているんですよ。カーショー(現ドジャース)なんかも走ってましたよ。それを見た時に、『僕がこれまでやってきたことは間違いじゃなかったんだ』と実感できたんです」

 40歳を越えてもなお、普通の選手以上に走ります。特に自主トレは自分をひたすら追い込むので、シーズン中よりも明らかにメニューがきつい。それこそ朝から夕方、日が落ちるまで黙々と練習する。

 後輩の面倒見もよく、和田の自主トレには多くの選手が志願することもよく知られています。でも、本当の意味で和田についていける選手が一体何人いるのか……。

 よく選手がメディアに自主トレを公開することがありますよね? 実は和田の自主トレは「あんなもの」じゃないんです。

  ◇  ◇  ◇

 本連載の《和田毅の巻》は全2回。関連記事の《和田毅の巻#2》では、メディア非公開だった「超過酷自主トレの裏側」や、和田の「知られざる素顔」について詳しく綴っている。

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