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竹田麗央の米女子ツアー初Vは遠くない。コースごとに異なる芝質に慣れれば十分戦える(羽川豊)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月6日 11時32分

竹田麗央の米女子ツアー初Vは遠くない。コースごとに異なる芝質に慣れれば十分戦える(羽川豊)

竹田麗央(C)共同通信社

【羽川豊の視点 Weekly Watch】

 竹田麗央(21)が、日米女子ツアー共催のTOTOジャパンクラシックで優勝し、来季から米女子ツアーで戦うことになりました。

 竹田の魅力は圧倒的な飛距離です。攻めのゴルフを身上とし、それを象徴していたのが最終日16番(500ヤード・パー5)の第2打です。ピンまで243ヤード。スプーン(3W)で放った高弾道のフェードボールはピン右下3メートルにオン。1パットのイーグルは見事でした。

 今季29試合のドライバー平均飛距離は国内トップの262.54ヤード。飛距離は、ギア選択やトレーニングである程度伸ばすことはできますが、女子で270ヤード近く飛ばすのは、持って生まれた能力がほとんど。見ているファンにとっては大きな魅力です。

 竹田のプロ入りは2021年11月。3年目の今季は4月に初勝利を挙げると、日本女子オープンなど公式戦2勝を含む、これが通算8勝目。今年は海外メジャーも4試合に出場し、国外初戦の全米女子オープンでは9位と健闘。「早く海外でプレーして欲しい」と思っていた選手のひとりです。

 気の早いファンは、来年どれくらい活躍できるか気になるところでしょう。

 元賞金女王の叔母である平瀬真由美さんは「世界から選手が集まるツアーだから、日本で良くてもそんな簡単に通用する世界ではない」と、辛口ですが、それは自分自身が同ツアーで戦い、その厳しさを知っているからでしょう。

 私は四半世紀以上もゴルフ中継の解説などに携わり、米女子ツアーや海外メジャーも長く見てきました。竹田は高いテークバックからフェードボールをコントロールし、アイアンはクラブが鋭角に入る。ボールが沈むベント芝のフェアウエーだけでなく、ラフでも対応できます。鋭角に打てるアイアンは、よりスピンがかかり硬いグリーンでも比較的止めやすい。今季は100ヤード以内のスピンコントロールも巧みになり、コースによって異なる芝質に慣れれば十分戦える。米ツアーでの初勝利も遠くないとみています。

 12月の最終予選会を受けずに済んだわけですから、今後は英語の勉強でも汗をかいた方がいい。ツアーメンバーとコミュニケーションが取れると友人が増えるし、プレー以外のことでも多くの情報が得られ、オフタイムのリラックスに役立つはずです。

 キャディー選びも重要です。彼らは契約選手の成績に直結するので情報収集を怠りません。ベテランのツアーキャディーは当日の天候やコースの状況以外に、2、3週間後のコースのことまで仕入れている。雷雨予報の時は、中断や「あと30分で再開する」といった情報のキャッチも早い。最初はカタコト英語でもいいから、戦力になる外国人キャディーとタッグを組んで欲しいですね。

(羽川豊/プロゴルファー)

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