「緊急避妊薬」を処方箋なしで購入できる取り組みが進んでいる【クスリ社会を正しく暮らす】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月6日 9時26分
72時間以内に服用する必要性がある
【クスリ社会を正しく暮らす】
今年6月、「緊急避妊薬の試験販売 協力薬局を約200軒追加」というニュースが報じられ、話題になりました。じつは昨年11月から全国145薬局で緊急避妊薬の試験販売が実施されています。
望まない妊娠を防ぐための緊急避妊薬は、性交後72時間以内に内服する必要性があり、迅速な対応が求められます。しかし、地方では産婦人科を受診しにくい状況や、デートレイプを含む犯罪などが関係する場合にもアクセスがしにくいという問題が指摘されています。アクセス向上の観点から、薬局などで処方箋がなくても緊急避妊薬を購入できるようにとの要望があげられ、一部薬局での試験販売が始まっているのです。
日本における2023年11月28日~24年1月31日の緊急避妊薬試験販売の集計結果では、販売数量の総数は約2カ月間で2181件。「面談した薬剤師の対応」「説明のわかりやすさ」「プライバシーの配慮」への満足度は高く、「とても満足」の割合が8割以上を占め、「概ね満足」を含めると95%以上を占めていました。薬局で支払った緊急避妊薬の費用は7000~9000円が99.5%となっています。
緊急避妊薬は、「誰もが安く簡単に入手できることが望ましい薬」として世界保健機関(WHO)の必須医薬品に掲載されていて、世界の90カ国以上の国々において処方箋なしで薬局で購入できます。また、アメリカでは今年の3月にコンビニエンスストアでも店頭販売することが発表されています。日本でも、緊急避妊薬へのアクセス方法が日々変化しているのです。
(荒川隆之/薬剤師)
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