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国民民主の玉木代表「年収の壁」税収減に反論 注目は過剰予備費と特別会計“埋蔵金”か

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月7日 9時26分

国民民主の玉木代表「年収の壁」税収減に反論 注目は過剰予備費と特別会計“埋蔵金”か

埋蔵金を探せ(C)日刊ゲンダイ

 少数与党に転落して重い腰を上げざるを得なくなったようだ。

 自民党税制調査会(宮沢洋一会長)は6日、2025年度税制改正に向けた議論に着手した。国民民主党が訴える非課税枠(年収103万円の壁)の引き上げが主な柱だ。

 引き上げに伴い、政府内からは「7兆~8兆円」の税収減になるとの試算が公表されており、国民民主党の玉木雄一郎代表(55)はこの日に出演したラジオ日本の番組で財源に触れ、「去年は使い残しの予算が7兆円、おととしは11兆円ある。税収も去年は見込みより2.5兆円上振れしている」と指摘。「きちんと精査すれば7兆円くらいの減税は十分できる」として、予算の使い残しや税収の上振れ分で賄えるとの認識を示した。

 玉木氏の発言が報じられると、ネット上では《税収減を補う財源は、まさかの埋蔵金狙いか》《旧民主党政権も特別会計の埋蔵金使用を訴えていた》との声が上がり、早くも引き上げ実現を困難視する見方が広がったのだが、果たして玉木発言は荒唐無稽なのだろうか。

 国の財政状況がカツカツで、最低限の行政サービスすら維持できない途上国のような台所事情であれば税収減を懸念する意見が飛び交うだろうが、国会審議のやり取りを見る限り、きちんと予算を精査すれば新たな財源が出てくる可能性はありそうだ。

 今年5月27日の参院決算委員会。2022年度に計上された新型コロナと物価高対策の予備費、同年度一般会計、特別会計の予備費などについて審議されたのだが、野党議員が相次ぎ問題視していたのが予備費の過大計上だった。

「予備費の規模としては極めて異常で、許容し難い(略)結局、その不用額は2兆7785億円に上り、これに一般予備費と使用実績のないまま終わったウクライナ予備費の不用額を加えると、約4兆2000億円という常軌を逸した規模となります」(立憲民主党)

「一般会計予備費の残額は3743億円、新型コロナ及び原油価格・物価対策予備費の残額は2兆7786億円と、相当な未使用分が生じた」(国民民主党)

 予備費は通常、台風や大雨災害など予測しがたい緊急な財政支出に備えるためのもので、国会審議を経ずに政府が閣議決定で支出先を決められる。これまでは年5000億円規模だったが、新型コロナの感染拡大を機に計上額が急増。

 2020年度に約11.5兆円、21年度と22度にもそれぞれ5兆円規模に。会計検査院の調査によると、21~22年度に計上されたコロナ予備費の約12.6兆円のうち、およそ3.7兆円が翌年度に繰り越されていたというから、玉木氏の言う通り、こうした「使い残しの予備費」を利用する手はあるかもしれない。

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