米大統領選勝利で株価急騰1000円高!「トランプ買い」いつまで続く? 専門家が先行き占う
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月7日 10時32分
6日の日経平均は3営業ぶりに3万9000円台を回復(C)日刊ゲンダイ
冗談交じりの「もしトラ」がはやり始めたのは、今年に入ってから。「ほぼトラ」を経て、「確トラ」を織り込んだ6日の株式市場は沸いた。
日経平均株価は大幅続伸。一時1100円超の上げ幅を記録し、前日比1005円高の3万9480円で取引を終えた。結果、マーケットの期待通り、米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利。「トランプ買い」はいつまで続くのか。
投資家が買いに走った理屈はこうだ。米国第一主義が信条のトランプが返り咲けば、関税引き上げや法人減税を強行。加速するインフレを抑え込むため、高金利が続くとの見通しからドルが買われた。そうして外為市場では円相場が一時、約3カ月ぶりに1ドル=154円台まで下落。輸出関連株などに追い風となった。
経済評論家の斎藤満氏はこう指摘する。
「インフレ局面では債券よりも株式が買われ、米国の金利が高ければドルが買われる。そうした短絡的な取引を繰り返すのんきなムードは当面続くでしょう。もっとも、米国が独りよがりになれば、モノもカネも世界に流れなくなる。世界経済にとって大打撃です。トランプ氏が忌み嫌う貿易赤字は、ドルが基軸通貨であればこそ。ドル供給の放棄に動こうものなら、ドル不安を生じかねない。トランプ勝利でドル高だ、株高だとやみくもに突っ走るのは危険です」
新大統領の就任式は来年1月20日(現地時間)。選挙戦の最中に何度も暗殺未遂に遭ったトランプだけに、この先も予断を許さない。
■日銀の追加利上げにも影響が
一方、アベノミクスによる異次元緩和からの出口を探る日銀をめぐっては、12月の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切る観測が強まっている。
「トランプ氏は、貿易赤字の解消につながるドル安は大歓迎。米国新政権の政策を様子見するスタンスを取っていた日銀は、フリーハンドを得たと言っていい。政権移行期間の混乱の程度にもよりますが、日銀の利上げ余地はさらに高まったと言えます」(斎藤満氏=前出)
党内融和に傾いた石破首相はいったんアベノミクス批判を引っ込めたものの、そもそもは金融正常化に前向き。植田日銀は動くのか。
◇ ◇ ◇
関連記事【もっと読む】では、自民党総裁選と米大統領選で株価がどう動くのかを、専門家の意見をまじえて詳しく報じている。
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