国民民主・玉木代表「103万円の壁」引き上げの「財源=余った税金」に批判が噴出する納得の理由
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月7日 10時58分
絵に描いた餅につけ刃の理論だ(C)日刊ゲンダイ
さすがに「無責任だ」の批判が噴出している。
国民民主党が訴えていたことで、衆院選後、いきなり一大テーマとなっている「103万円の壁」問題。103万円に設定されている「課税最低限」を、178万円に引き上げるべき、というのが国民民主の主張だ。
課税最低限が引き上げられたら、多くの人が「減税」の恩恵を受けるのは間違いない。年収800万円の人は、22万8000円の減税となる。問題は、どうやって財源を捻出するのか。178万円まで課税最低限を引き上げたら、ざっと7兆6000億円の減収となるからだ。
これまで財源について明言していなかった国民民主の玉木代表が、6日ラジオ番組に出演し、こう語った。
「去年は使い残しの予算が7兆円、一昨年は11兆円ある。税収も去年は見込みより2.5兆円上振れしている」「精査すれば7兆円くらいの減税は十分できる」
要するに、余った税金を財源にすればいい、という考えらしい。しかし、この「財源論」には批判が噴出。
ネット上では《財源は剰余金って、財源がないと言ってるようなものじゃないか》《玉木さんの理屈だと、2~3年で剰余金が無くなれば、再び、103万円の壁に戻すということだろうか?》《その財源はあったとしても1年限りではないでしょうか、恒久財源が求められているように思います》の声が上がっている。
実際、毎年毎年、約8兆円も剰余金が出てくる保証はどこにもない。昨年、税収が上振れしたのも物価高の影響が大きい。「恒久減税」の財源にならないのは明らかだ。
政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「玉木代表は『取り過ぎているもの(税金)を戻そうということだ』と発言しています。国民から税金を取り過ぎている、というのはある意味、正しいかもしれない。しかし、税金が余っている、という考えは大間違いです。日本は毎年、30兆円もの赤字国債を発行して予算を組んでいる。借金大国です。税金は余っていませんよ。そもそも、いま頃、財源について語るのは、制度設計もしていないのに、国民受けを狙って『減税』を訴えたということなのではないか。本来、責任ある政治は、政策と財源をセットで考えるものです」
財源がネックとなり、減税が実現しなかったり、小規模に終わったら、納税者からの批判は、自民党だけでなく国民民主党にも向かうに違いない。
◇ ◇ ◇
ラサール石井さんは自身のコラム『東憤西笑』(関連記事【もっと読む】)で、玉木代表が「よく見ていないと危険な人物」と看破している。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「103万円の壁」撤廃は実現可能か? 国民民主党玉木雄一郎代表が疑問に答える
Japan In-depth / 2024年11月13日 0時32分
-
話題の「103万円→178万円 年収の壁」引上げ。そもそも178万円の根拠は何で、会社員にも恩恵はあるのか?
Finasee / 2024年11月11日 19時58分
-
国民民主の玉木代表「年収の壁」税収減に反論 注目は過剰予備費と特別会計“埋蔵金”か
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月7日 9時26分
-
「働きたいのに働けない」”年収103万円の壁”引き上げへの期待と課題 さらに「106万円」「130万円」の壁も そもそもなぜ178万円?
RKB毎日放送 / 2024年11月5日 18時5分
-
国民民主が唱える「103万円の壁」解消に政府が喧伝…“金持ちほど恩恵”のレッテル貼りはマヤカシ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月5日 16時3分
ランキング
-
1とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
-
2【GU】1290円の「冷たい風も防ぐ手袋」は、自転車に乗っていても手があったか! 水や汚れをはじく&スマホ操作もできる高機能グローブ
Fav-Log by ITmedia / 2024年11月22日 8時35分
-
3ファミマの「発熱・保温インナー」はヒートテックより優秀? コンビニマニアが比較してみた
Fav-Log by ITmedia / 2024年11月21日 19時55分
-
4「合コンも仕事のつもりだった」20代で“年収1,000万”稼ぐ彼氏の苦しすぎる浮気の言い訳に唖然
日刊SPA! / 2024年11月21日 15時51分
-
5日本の皇位継承が国連勧告を受けるという恥をかかせた元凶…明治時代「男系男子限定」に誘導した人物の名前
プレジデントオンライン / 2024年11月22日 9時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください