新大関・大の里 「挑戦者卒業」で編み出す新たな武器 伸びしろを生む“驚異の吸収力”
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月9日 11時22分
大の里(C)共同通信社
「大関」の看板が重くのしかかる。
8日、新大関の大の里(24)が後援者から送られた化粧まわしを報道陣に披露。昇進伝達式で語った「唯一無二」の口上が刺繍されており、自身も「大関として初めての場所。いい形で締めくくりたい」と意気込んだ。
すでに優勝を2回経験し、関取になって以降は今年7月場所を除くすべてで2ケタ勝利。最も勢いのある力士であることは疑いようがない。
ただ、大関となると対戦相手の意識が変わってくる。三役と言っても関脇、小結を維持できるかは1場所ごとの成績次第。横綱や大関のように、昇進基準もない。その点、大関は2場所連続負け越さなければ陥落せず、昇進するにも「三役で3場所33勝以上」という高いハードルを越える必要がある。明確に「格上」と見なされるのだ。
大関琴欧洲(現鳴戸親方)はかつて、「僕は何でもできる力士だったけど、大関は相手の挑戦を受けなきゃいけない。でも、相手は変化でも何でもやってくる」と話していた。
立ち合い変化で負けても文句は言えないどころか、むしろ「変化を食う方が悪い」となる。今年7月場所では、同級生の平戸海の立ち合い変化で黒星。平戸海は「やるつもりはなかったけど、体がとっさに動いた。罪悪感しかない」と、後悔していたが、そんな遠慮も今後はなくなるだろう。
「そうした相撲への対処は実戦で覚えるしかないが、幸いにも大の里は吸収が早い。先場所から武器にしている左おっつけも、師匠である二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)との稽古で編み出したものです。師匠との日々の稽古でやられっぱなしの中、『どうすれば、あの右差しを封じて攻められるのか』と自分で考えた末の答えが、左おっつけだった」
大関昇進後も、まだまだ伸びる余地があるということだ。
◇ ◇ ◇
大相撲と言えば、先場所限りで引退した貴景勝は、過去に2場所連続で「優勝に準ずる成績、優勝」しながら横綱になれなかった。いったいなぜか。貴乃花の元弟子だからなのか。日本相撲協会・八角理事長を直撃すると、意外な答えが返ってきた。
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