「マキベリー」には強力な抗酸化作用があり、運動後のダメージ回復に役立つ【時間栄養学的「気になる食品」】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月11日 9時26分
マキベリー(C)iStock
【時間栄養学的「気になる食品」】
マキベリー
◇ ◇ ◇
マキベリーは、南米チリのパタゴニア地域に自生するマキ(Aristotelia chilensis)の果実。その歴史は古く、現地の先住民族であるマプチェ族が何世紀にもわたり食用や薬草として利用してきました。マプチェ族はこのベリーを摂取することで、強靭な体力と健康を保ってきたとされており、彼らの「強靭な戦士」の象徴ともなってきたそうです。
現代においてもその健康効果が着目され、世界中で人気を集めています。特に抗酸化力が高い果実として広く評価されていて、アンチエイジングケアや健康維持に関心のある人々に人気を博しています。
マキベリーにはアントシアニンという抗酸化物質が豊富に含まれており、その中でもデルフィニジンと呼ばれる成分は特に強力な抗酸化作用を持つとされています。酸化ストレスは老化やさまざまな病気の原因にもつながることがわかっていますが、実際に、マキベリー抽出物の摂取が酸化的損傷の指標を低減させることが確認されています。ルテインやゼアキサンチンといったカロテノイドが含まれていることから、視力の維持や眼病の予防に効果的といえるでしょう。
さらに、マキベリーに含まれる抗酸化物質が体内の炎症性マーカーを減少させ、免疫システムの改善につながることが示されているなど、炎症を抑える効果があることも知られています。その他にもチリの研究者によると、マキベリーの摂取が血液中の脂質プロファイルを改善することもわかっています。また、マキベリーの抽出物を摂取した人々で、食後の血糖値が正常化することが報告されており、健康的な血糖コントロールの一環にも利用できる可能性があります。
マキベリーの摂取タイミングに関する具体的なエビデンスは限られていますが、朝の摂取は、マキベリーに豊富に含まれるアントシアニンなどの抗酸化成分が、日中の酸化ストレスへの防御に役立つため効果的だとする研究があります。一方で、抗酸化作用の高い食品の運動後摂取が回復促進に役立つとする研究の観点から、運動後に摂ることで抗酸化物質が運動による酸化ダメージを抑え、筋肉の回復をサポートする可能性もあります。
目的に応じて、マキベリーの健康効果をぜひ体感してみてはいかがでしょうか。
(古谷彰子/愛国学園短期大学准教授)
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