1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

データ解析偏重から「頭脳、経験、人脈」を併せ持つGMへ…かつてスター選手の抜擢はレアケースも(友成那智)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月13日 9時26分

データ解析偏重から「頭脳、経験、人脈」を併せ持つGMへ…かつてスター選手の抜擢はレアケースも(友成那智)

ジャイアンツの編成本部長に就任したバスター・ポージー(C)ロイター/USA TODAY Sports

【メジャーリーグ通信】

 2012年にMVPを獲得した元スター選手のバスター・ポージー(37)がこのオフ、古巣・ジャイアンツの「編成本部長」に就任した。最近は実質的なGMにこの肩書を付与し、筆頭GM補佐がGMを名乗ることが流行しているので、ポージーは事実上のGMになったのだ。

 MLBでは元有名選手がGMに就任するケースがほとんどなく、アスレチックスで4年連続20勝をマークしたデーブ・スチュワートが14年にダイヤモンドバックスのGMに就任したことがあった程度だ。

 1990年代までのGMの多くは、マイナーの選手が引退後、球団のスカウト部門や選手育成部門に転じて実績をあげ、内部昇格した人たちだった。

 しかし、21世紀に入ると潮流が変わり、統計学的な手法でデータを解析してチームづくりを行うアイビーリーグ出の秀才が30代の若さでGMに就任するケースが多くなる。

 ところが、ここにきてまた、流れが変わり始めた。名門大学出身者がメジャーリーグで活躍して引退後、GMに就任するケースが出てきたのだ。彼らはデータ解析だけに重きを置かず、自分がメジャーで得たさまざまな教訓を生かすと同時に、培った人脈をフルに活用するようになる。

 このタイプのGMで最も成功しているのがレンジャーズのクリス・ヤング(45)だ。ヤングはプリンストン大出身の秀才だが、身体能力も抜群に高く、現役時代はパドレスのローテーション投手として活躍、オールスター出場経験もある。そのヤングがレンジャーズのGM就任後、注力したのはパドレス時代の師匠でワールドシリーズ制覇3回の実績があるブルース・ボウチーを監督に据えることだった。

 23年にボウチーが監督に就任すると、前年94敗のチームが上昇気流に乗り、1年目にいきなりワールドシリーズを制覇した。シーズン中盤にはレンジャーズが生まれ変わったことが知れ渡り、GMには豊富な経験と幅広い人脈も必要という認識が生じる。

 その結果、ホワイトソックスは8月にGM交代を断行、元セカンドのレギュラーでミシガン大出の秀才でもあるクリス・ゲッツ(41)をGMに指名。レッドソックスは2010年代に左のセットアッパーとして活躍したエール大卒のクレイグ・ブレスロー(44)をGMに抜擢した。

 ジャイアンツがポージーを事実上のGMに起用したのも、この流れの延長線上にある。ポージーはフロリダ州立大学出身。母親が教員で、しっかり勉強をさせられたため、高校時代は毎年オールAに近い成績だった。

 キャッチャーをやって培った研ぎ澄まされた戦略眼もあるので、データ解析に偏ったGMたちとは根本から違う新たなチームづくりをするのではないだろうか。

(友成那智/スポーツライター)

  ◇  ◇  ◇

 メジャーといえば、いまやドジャースはヤンキースに取って代わり、「悪の帝国」と言っても過言ではない。カネと人気と裏技をフル活用するだけではなく、ルール違反スレスレの行為も平気でやるからで、それには大谷や佐々木朗希も関係している。いったいどういうことか。いま、何が起きているのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください