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「酸化マグネシウム」を含む下剤を牛乳で飲んではいけない理由【クスリ社会を正しく暮らす】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月13日 9時26分

「酸化マグネシウム」を含む下剤を牛乳で飲んではいけない理由【クスリ社会を正しく暮らす】

酸化マグネシウムは食品との相互作用がある

【クスリ社会を正しく暮らす】

「酸化マグネシウム」は、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進する下剤ではなく、腸管内に水分を集めることで効果を発揮するため、腹痛などの副作用が少ないのが特徴です。酸化マグネシウムを含む下剤は医療用医薬品だけでなく市販薬(OTC医薬品)でも販売されていて、広く用いられています。

 一般的にOTC医薬品として販売される医薬品は、長期間における使用実績があり、副作用も比較的少なく、他の薬剤との相互作用(飲み合わせ)でも重篤なものが少ないとされているのですが、やはり注意点は存在します。

 薬剤師目線で酸化マグネシウムを考える場合、まず最初に気になるのは相互作用です。特にニューキノロン系抗菌薬など一部の医薬品は、マグネシウムと難溶性のキレートを形成することから吸収が低下し、十分な効果が得られないことが知られています。病院内でも、酸化マグネシウムを服用中の患者さんに医師がニューキノロン系抗菌薬を処方し、薬剤師が服用するタイミングの変更を医師に確認するケースは多くみられます。その他にも多くの薬と相互作用があるため、まずは併用薬について必ず確認しています。

 ちなみに、食品との相互作用もあり、酸化マグネシウムを大量の牛乳で服用した場合、カルシウム再吸収が増大することによる「高カルシウム血症などの症状(ミルクアルカリ症候群)」も知られています。その他にも腎機能障害がある方や高齢者、特にマグネシウム製剤を長期連用されている方では、「高マグネシウム血症」を呈する場合もあるため、定期的な血液検査を依頼しています。

 このように市販薬であっても注意点がある場合も多いので、ご自身が服用される薬については成分なども確認し、疑問点や不明点は気軽に薬剤師に確認するとよいでしょう。

(荒川隆之/薬剤師)

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