米中対立“激化”待ったなし! トランプ「対中強硬」人事で石破外交が突き付けられる不安材料
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月13日 11時25分
日本は難しい舵取りになる(トランプ次期米大統領とマルコ・ルビオ上院議員=右)/(C)ロイター
石破首相が14日、APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議に出席するため、南米ペルーに向けて飛び立つ。15日に現地でバイデン米大統領、中国の習近平国家主席との初会談を調整している。ブラジルで開かれるG20首脳会議に出席した後、21日に帰国する予定だ。
注目は帰国途中での開催が模索されているトランプ次期大統領との直接会談。石破外交の手腕を発揮したいところだが、早くも不安材料が浮上している。「トランプ人事」だ。
■国務長官は「強硬論者の」ルビオ氏か
米メディアによると、トランプ氏は外交を担う国務長官にフロリダ州選出のマルコ・ルビオ上院議員(53)を指名する見通し。彼は米国と敵対関係にある中国やイランへの「強硬論者」として知られ、特に中国に対しては「米国史上、最も強大な敵対国」と危機感を隠さない。中国からの輸入品に一律60%の関税をかける方針のトランプ氏が登用するのもうなずける。
米中関係の緊張激化は待ったなしだが、あくまでも日本政府の対中戦略は「建設的かつ安定的な関係」の維持。石破首相は難しい舵取りを迫られそうだ。
「次期トランプ政権が経済面で対中強硬策を講じるのは間違いないとして、安全保障面でも同じ路線を敷くのかどうか。日米の懸案である台湾有事に関し、トランプ氏は台湾に防衛費の増額を訴えています。日本にもさらなる負担増を求めてくるかもしれませんが、日本の在日米軍経費の負担率はすでに74%。ない袖は振れません。トランプ氏の『アメリカファースト』を考えれば、逆に安保面は関与してこない可能性も考えられます」(国際ジャーナリスト・春名幹男氏)
もっともルビオ氏は、「安全保障、インテリジェンス、経済分野における日本の役割は決して過小評価できない」と日米同盟の強化に前のめりだ。
「他に日本に影響があるのは、米通商代表部(USTR)代表への復帰が取り沙汰されるライトハイザー氏の存在ではないか。財務長官に抜擢される可能性も捨てきれません。日本製鉄のUSスチール買収に反対しており、日本にも厳しい。場合によっては関税引き上げも辞さないでしょう」(春名幹男氏)
トランプ政権は一体、どんな「ディール」を石破首相に突き付けてくるのだろうか。
◇ ◇ ◇
トランプ氏の132年ぶりの返り咲き当選でにわかに注目を集めているのが高市早苗前経済安保相(63)だ。石破首相よりも、トランプ氏とうまく付き合えるはずだ、と期待の声が上がっているとのこと。●関連記事【もっと読む】『トランプ復権に“高市一派”が大ハシャギ…クセ強大統領と渡り合えるのは「早苗総理」だけ?』で詳しく報じている。
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