前途多難の松本人志は「世界配信」に光明? ポルトガルはOKでも…米国進出はイバラの道のワケ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月14日 9時26分
訴訟を取り下げた松本人志(C)日刊ゲンダイ
「松本人志の活動再開につきましては、関係各所と相談の上、決まり次第、お知らせさせていただきます」
過去の飲み会における女性への性的強要を報じた「週刊文春」を提訴していたダウンタウンの松本人志(61)が、8日に訴えを取り下げ、《女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば》と条件付きで謝罪した。その松本の活動再開を吉本興業が模索し始めている。
しかし、民放テレビ局関係者はこれに懐疑的だ。
「松本さん側が訴訟を取り下げたと言っても、視聴者の脳裏には“疑惑”が残ったままの状態です。たとえ強制ではなかったにしろ、乱れた私生活がつまびらかにされたことで松本さんのイメージは確実にダウンしました。そんな松本さんの起用をスポンサーがすぐに認めるとは思えません。地上波での復帰はしばらく難しいでしょう」
その一方で浮上しているが、海外進出による復帰だ。すでに、松本自ら企画・プロデュースしたAmazonプライム・ビデオ配信のバラエティー番組「FREEZ」が、ポルトガル最大手テレビ局TVⅠにフォーマット販売され、6月から現地で放送が始まっている。本人が海外で芸能活動をスタートするわけではないが、この発表を受け、松本は活動休止中に「『ドキュメンタル』に続き自分の笑いが世界に拡がっていくことはうれしいです」と喜びのコメントも出した。
■アメリカでは“高みの見物”や暴力的な演出は嫌われる
松本が企画・プロデュースした「ドキュメンタル」も世界約20カ国でフォーマット展開されているものの、"アメリカ版"は今のところ未定だという。米NY在住のエンタメ業界関係者はいう。
「松本さんの“笑いのセンス”がアメリカでは受け入れられるかは微妙です。こちらでは最近、エリック・アンドレ(41)や、日本でもヒットした映画『ハングオーバー』シリーズの出演で知られるザック・カリフィアナキス(55)らのシュールなコメディーショーがウケています。どちらも、奇想天外な方法でゲストのセレブリティーをいじったり、一般人を巻き込んでドッキリを仕込んだりということもしますが、本人自ら変人になりきる、キャラクターを演じ切るということに徹底しているところに面白さがあります。しかし、例えばFREEZでいえば、ゲストが“いじり”に耐えている姿を見て、松本さんは高みの見物で笑っているパターン。欧米ではこうした、ただゲスト出演者をディスるような演出は敬遠されがちです。2022年のアカデミー賞授賞式の会場で司会のクリス・ロックに妻の髪型をいじられてビンタしたウィル・スミスが、大きな非難を浴びたように、暴力的な演出も好まれません。『絶対に笑ってはいけない』シリーズの罰ゲームで“ケツバット”がありましたが、欧米ではハラスメントにあたり言語道断です。松本さんがペナルティーで自ら殴られに行くのならOKですけどね」
実はFREEZの評価は、日本国内でも決して高いとは言えない。2020年8月発売のDVDのAmazonにおけるレビューは5点満点で2.8。コメント欄には《「痛い/キモい/嫌」などいわゆる拷問を耐えているところ見せられます。見ていて引いてしまうほど可哀想になってきました》《ただただ松本人志がタレントに嫌がらせをしてケラケラ笑う内容。蛇や蜘蛛、ゲロや胡椒を無抵抗のタレントに振りかける》《何が面白いのかわからない。笑えない。教育に悪い。イジメにつながる》などと批判的な声も目立つ。
松本の華々しい復帰を飾りそうな“海外進出”だが、欧米で広く受け入れられるのは難しそうだ。
◇ ◇ ◇
すっきりしないのが、「事実無根」を貫いた松本が提訴を取り下げた背景だ。「黒塗りされた“大物タレント”を守るため?」とも囁かれているが、関連記事【あわせて読む】もご覧ください。
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