「緑内障」は白内障のように手術で治せるのか?【一生見える目をつくる】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月14日 9時26分
いかに早く見つけるかが明暗を分ける
【一生見える目をつくる】#39
「緑内障」は早い段階で適切な治療を始めれば、生活に必要な視力を最後まで維持することができます。いかに早く見つけるかが明暗を分けるのです。
では緑内障の治療とはどんなものなのか。その答えは点眼薬です。「白内障のように手術で治すんじゃないのか」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
残念ながらいまの医学では緑内障を治すことはできません。緑内障の手術もありますが、その目的は点眼薬と同じように「治す」「元に戻す」ではなく「進行を遅らせる」ということになります。
日々決められた回数の目薬をきちんと点眼する。その繰り返しです。ところが、初期や中期の緑内障の患者さんはまだ「視野が欠けている」という自覚がない。そのせいで「緑内障」と診断され、点眼薬を処方されてもピンとこずに、途中で治療を中断してしまう人も少なくありません。
せっかく早期発見できたのに、それはとてももったいないこと。診断されたなら、その日からは毎日必ず点眼薬を使用するようにしましょう。
緑内障の点眼薬は、大きくわけて2種類。眼内の房水と呼ばれる液体の流出を促進するタイプと、房水の産生を減らすタイプです。
眼科医がその患者さんの目を診察した上で、もっとも有効と思われる点眼薬を処方します。点眼薬は薬ですから、副作用が出ることもあります。目薬の種類によって異なりますが、患者さんから多く聞かれる声は「しみる」「目の周りが黒ずむ」「充血する」「(点眼後)光がまぶしく感じる」「まぶたが炎症を起こした」「暗くぼやけて見える」などがあります。症状が気になる場合は、すぐに医師に相談してください。点眼薬の変更が可能な場合もあります。
なお、問診票などで現在飲んでいる薬やサプリメントなどを確認する欄がありますが、「目とは関係ないだろう」と思い込んで正確に書かない患者さんが多いのです。が、これは絶対にやめていただきたい。
点眼薬の中には、ほかの薬と併用することがよしとされないものもあります。申告せずに点眼薬を使用すると「動悸(どうき)がする」「咳(せき)が出る」「呼吸が苦しい」「めまい」などの症状が出る場合も。とくに呼吸器系や循環器系、糖尿病などの内分泌系の病気にかかっている方や腎臓病の方は必ず申告を。
緑内障と診断されたその日から、点眼薬と眼科通院とは一生の付き合いとなります。けれど、きちんと決められた量と回数を点眼していれば進行を遅らせることができる。自覚はなくても「早く見つかってよかった」という気持ちでしっかり通院してくださいね。
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