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糖尿病の患者には「血糖トレンド」の把握が重要になる…11.14は「世界糖尿病デー」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月14日 9時26分

 実際、金重院長の糖尿病患者のなかにはCGMを導入することで積極的に血糖コントロールに向き合うようになり、注射するインスリン量を減らすことに成功した患者が多いという。

夜間低血糖や生活改善に有効

「当院では糖尿病で受診する患者さんの10%はインスリン注射が必要です。その多くが糖尿病治療歴が長い高齢の患者さんで、一部の患者ではCGMを使っています。こうした患者さんは知らず知らずのうちに夜間低血糖を起こしているケースがあります。CGMで計測することでその発生を知り、対処することができ、持効型インスリン量を減らすことにもつながります」

 低血糖とは、糖尿病をインスリンやインスリン分泌促進薬で治療している人に現れる緊急的状況で、血糖値が正常値よりも低下したり、乱高下したときにみられる。大量の発汗、顔面蒼白、手足の震えから意識障害、けいれん、昏睡状態などに陥り、命を落とすこともある。

「高齢者や糖尿病歴の長い患者さんの場合、昼間でも低血糖に気づかないケースが多い。CGMの機種によっては低血糖を感知すると、設定した家族などの連絡先に知らせてくれる。ある患者さんは低血糖になると妻から『あなた、低血糖になっているから補食して』とスマホに電話がかかってくる、とおっしゃっておられました」

 また、インスリン注射を長く続けると、同じ種類と量の薬を同じ場所に打っているのに同じ効果が得られなくなることがある。その原因のひとつが「インスリンボール」だ。インスリン注射を同じ場所に打ち続けることで皮膚の下にできる塊で、十分な薬剤が体内に吸収されず、血糖コントロールが乱れることになる。

 高齢者の中にはそれを理解できず、他の場所に打つことを拒否する場合もある。しかしCGMがあれば、血糖コントロールの乱れを視覚で確認できるため、高齢者の理解が得られやすいという。

 いったん糖尿病になると、食べたいものを食べられず、四六時中がまんの生活を強いられる。そんな時代は過去の話。糖尿病としっかり向き合い、新たな情報を得て自ら工夫し行動すれば、健康で幸福な環境をつくり出すことは可能だ。

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