脚本家バカリズムの神髄とは? 次クールは日テレ獲得、“クドカン超え”争奪戦のウラ側
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月15日 11時32分
バカリズム(C)日刊ゲンダイ
芸人のバカリズム(48)脚本のドラマが、来年1月クールに日本テレビ系で放送されることが発表され話題になっている。
バカリズムが日テレのドラマを執筆するのは、昨年1月クールの「ブラッシュアップライフ」に続き2作目。同作は、「東京ドラマアウォード」作品賞やギャラクシー賞をはじめ、各賞を総ナメし絶賛されたが、今回も当時の制作チームが再集結するという。
バカリズムといえば、「素敵な選TAXI」(14年=フジテレビ系)で連ドラ脚本家デビュー以来、前出の「ブラッシュアップライフ」、今年8月にネットフリックスで配信スタートした、映画「架空OL日記」など立て続けにヒットを飛ばし、今やすっかりヒットメーカーの脚本家である。
「日テレは、『セクシー田中さん』問題以降、マンガ原作の供給源を絶たれ、オリジナル脚本が書ける脚本家の獲得に今年初めから躍起になっていたんです」(日テレ関係者)
それで各局がバカリズム争奪戦を繰り広げていたというが、他局との競合を破って、日テレが三顧の礼で見事、ゲットとしたというわけだ。
そのギャラは、「人気脚本家と同等の1本200万円、キャスティングも本人の意向を最優先という条件」と一部メディアでは報じられているが、もともとコント系芸人は、脚本の好手が多いといわれる中、“クドカン(宮藤官九郎)超えの才能”と評されるバカリズム脚本はどこがすごいのか。
お笑い研究家の鈴木旭氏が解説する。
「バカリズムさん脚本の特徴は、独特のシステムと自然でユニークな会話にあると思います。それはピンネタでも同じです。例えば『トツギーノ』というフリップネタでは、“朝起きーノ”“歯磨きーノ”と、ひたすら“◯◯ーノ”の口調で展開し、特定のキャラクターに微妙な変化をつけつつ、オチである“トツギーノ”のタイミングを外したりして笑わせます。その世界特有のルールを前提として展開をつくったり崩したりするのは、『素敵な選TAXI』や『ブラッシュアップライフ』でも共通しているところです」
さらに、その“独自の世界観”を支えるのは、自然な会話だとこう続けた。
「会話についても、自分が出る側として“自然じゃない”“サブいからこれ言いたくない”と感じたことがあるから、『そのストレスを与えたくない』とご本人がテレビでおっしゃっていました。それはピンのコントでも同じで、しっかりと架空の相手が何を言っているかを細やかに意識してつくられているなと感じます。はからずもお笑いのネタはドラマ脚本の武器になり、基礎にもなっていたのではないでしょうか」(鈴木氏)
次クールのドラマでは、どんな独自の世界を見せてくれるのか、ドラマ好きの期待は高まりそうだ。
◇ ◇ ◇
バカリズムの神髄は、本人の為すことに「笑い」が軸になっていることのようだ。関連記事【もっと読む】バカリズム異才の原点…「芸人・脚本家・主演俳優・MC」すべてに“笑い”が通底する一貫性…では、本人の腰の据わりぶりについて伝えている。
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