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巨人は正気なのか? 阪神大山、ソフトB甲斐&石川のFAトリプル取りで「乱獲時代」に逆戻りへ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月16日 9時26分

巨人は正気なのか? 阪神大山、ソフトB甲斐&石川のFAトリプル取りで「乱獲時代」に逆戻りへ

阿部監督(C)日刊ゲンダイ

 巨人が久しぶりにFAトリプル取りを目指す。

 国内FA権を行使した阪神の大山悠輔(29)、ソフトバンクの甲斐拓也(32)、石川柊太(32)の獲得に乗り出すというのだ。

 大山は年俸Aランク、甲斐はBランク。ルール上、行使した選手との契約は2人までだが、石川は人的、金銭ともに補償不要のCランクとみられ、3人目の契約も可能だ。

「3人取り」なら2016年オフ以来。山口俊(DeNA)、森福(ソフトバンク)、陽(日本ハム)の史上初となる3人同時取りで話題となったが、迎えた翌17年は4位、18年は3位で当時の高橋由監督がわずか3年で辞任に追い込まれた。

 巨人の元バッテリーコーチで評論家の秦真司氏がこう言う。

「巨人の捕手の育成に携わったことがあるので、甲斐の獲得に乗り出すというニュースは残念です。今季は28歳の岸田が最多の72試合で先発マスクをかぶり、4年ぶりのリーグ優勝に貢献した。阿部監督の手腕で岸田を主戦捕手に育てながらシーズンを制した。来季は岸田を中心に据えながら23歳の山瀬にも経験を積ませるのだろうと思っていたが、甲斐が入ってくるなら話は別。『捕手としてどれだけ必要としてくれるか』と言う甲斐はさらなる出場機会を求めているとも聞く。仮に巨人に入った場合、残留を決めた大城卓、小林は言うまでもなく、伸びてきた岸田の芽まで摘むことになりかねない。若手の山瀬もしかりです。目先の補強によって、当初の捕手育成構想は頓挫するでしょうから、そこが心配です」

 阪神の主砲・大山取りに関しても、巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)がこう話を引き取る。

「主砲の岡本が近い将来、メジャーに挑戦することを見越しているのでしょうが、大山の今季成績を見ると130試合で打率.259、14本塁打、68打点。20、21年に本塁打、打点の2冠だった岡本の代役が務まるとは思えません。もし大山が入れば、一塁や外野でポジションが重なる秋広の出番は今以上に限られるでしょう。さらに一塁の岡本が左翼に回る可能性が出てくれば、2年目で台頭した浅野の出場機会を奪うかもしれない。主砲のポジションをたらい回しにすることにもつながる。

OBとしてはチームの軸となる4番やエースは、生え抜きの選手を育てて欲しい。FAで30歳前後の出来上がった選手を連れてきても、その場しのぎになる。投手コーチの立場からすれば、今季15勝3敗の菅野の穴埋めのため、石川を補強したいというのは分からないでもないが、だったらなぜドラフト上位で即戦力投手を指名しなかったのか。石川は年俸がCランクだから人的などの補償は不要と安易な補強をすれば、昨季0勝から今季8勝とブレークした井上のような若手の枠を埋めてしまうことになる。以前FA3人取りをした後もV逸していますから」

 これまでFA選手を最も多く獲得したのは巨人で、ソフトバンクの17人の2倍近い28人もの選手を獲得してきた。FA交渉に成功すれば20年以来。原前監督時代に行ってきた「乱獲時代」への逆行の先に明るい未来はあるのか。

  ◇  ◇  ◇

 大山といえばかつて、阪神からドラフト1位指名を受けた直後に報道陣とひと悶着があったという。本人や家族を困り果てさせ、一時は全てのメディア取材を凍結するに至った「大事件」とはいったい何か。当時、何が起きたのか。

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