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「美人局」で約170件、被害総額3500万円…メンズエステ店の“罰金取り立て”苛烈な手口

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月17日 9時26分

「美人局」で約170件、被害総額3500万円…メンズエステ店の“罰金取り立て”苛烈な手口

(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

「女の子が怒っている。妊娠しているかもしれない。どうするんだ」

「ピル代、病院代、慰謝料で計165万円払え」

 男らはメンズエステ店の客に因縁をつけ、多額の金を巻き上げていた。

 女性従業員に性的サービスを持ち掛けさせる「美人局」の手口で現金を脅し取ったとして、警視庁暴力団対策課は14日までにいずれも職業不詳の金山浩樹(32)、永井悠太(32)両容疑者ら男女9人を恐喝と監禁の疑いで逮捕した。

 金山容疑者らのグループは表向きは性的サービスのないメンズエステ店として「兎の穴」「ジャングル」など、品川区や中央区など都内の複数店舗のHPで客を集めていた。

 手口はこうだ。客が店に電話をすると、近くのホテルに入るよう指示される。そこで「体に触れるなど女の子が嫌がる行為をしたら罰金200万円を払います」と記された誓約書にサインするよう求められる。

 施術が始まると、女性セラピストはほぼ裸の状態に。男性客に体をピタっと寄せ、タッチしたり、欲情するようなしぐさを見せて誘惑し、「やれる」と思わせる。その気になった男性客がセラピストの体をなで回したり、我慢できなくなって挿入すると、連絡を受けた男らが即座に乗り込んできて、「やったこと全部責任取って」「違約行為だよ。金払わないなら犯罪として訴えるぞ」と、恫喝する。

 外に連れ出され、仲間の車に乗せられた男性客は何時間も連れ回され、ATMや消費者金融で現金を引き出していた。100万円支払わされた客もいたという。グループは今年1~10月にかけて同様の犯行を繰り返し、警察には約170件の相談が寄せられていた。被害総額は3500万円に上る。

■実店舗なし

「お触り禁止といいながら、デリバリーヘルスの風俗営業許可は取っていた。理由は合法の風俗店を装って摘発を逃れるのと、<契約違反だから金を払え>という指摘に対して<そもそも違法風俗じゃないか>と反論された場合に<合法店です>と言い返すため。自己防衛策だったようです。メンバーは秘匿性の高いアプリを使ってやりとりし、HPに掲載されていた店舗はなく、客をホテルにおびき出して、片っ端から大金をふんだくっていた。その手口からトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)の関与がうかがわれます」(捜査事情通)

 男のスケベ心につけ込んだ卑劣な犯行だ。

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