ヨーグルトで健康な足腰になれる? 週3回で歩行速度に好影響 微生物学の専門誌に論文掲載
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月17日 9時26分
フレイル予防にヨーグルトを
【役に立つオモシロ医学論文】
加齢によって心身が衰えた状態をフレイルと呼びます。フレイルは、生活機能は低下しているものの、介護が必要なほど衰えてはおらず、早期発見と適切な対応によって身体機能の回復が見込めるとされています。
フレイルの予防や身体機能の回復には、適度な運動と栄養バランスに優れた食事が効果的です。特に、筋肉量の維持に必要な栄養素であるタンパク質の摂取が重要だと考えられてきました。そのような中、ヨーグルトなどの発酵乳製品と身体機能の関連性を検討した研究論文が、微生物学の専門誌に2024年7月5日付で掲載されました。
この研究では、群馬県中之条町に在住している65~92歳の581人が対象となりました。研究参加者に対してアンケートを行い、チーズを除く発酵乳製品の摂取頻度、身体機能や歩行速度、栄養の摂取状況が調査されています。なお、発酵乳製品の調査は栄養士が行い、週当たりの摂取頻度が推定されました。また、歩行速度は5メートルにおける歩行時間が測定され、1秒当たりの歩行距離(メートル)に換算されました。
その結果、男性における日常的な歩行速度は、発酵乳製品の摂取頻度が週に3日未満の人(秒速1.31メートル)と比べて、摂取頻度が週に3日以上の人(秒速1.37メートル)で、統計学的にも有意に速いことが分かりました。
最大歩行速度についても同様に発酵乳製品の摂取頻度が週に3日未満の人(秒速2.02メートル)と比べて、摂取頻度が週に3日以上の人(秒速2.15メートル)で、統計学的にも有意に速いという結果でした。一方、女性では発酵乳製品の摂取頻度と歩行速度に明確な関連性を認めませんでした。
論文著者らは「発酵乳製品の習慣的な摂取が、高齢者の歩行速度低下の抑制に寄与する」と結論しています。
(青島周一/勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰)
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