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気になる米トランプ新政権の行方…“スネ傷”の面々が続々と閣僚内定のトンデモ人事

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月19日 9時26分

気になる米トランプ新政権の行方…“スネ傷”の面々が続々と閣僚内定のトンデモ人事

財務長官に口出し(イーロン・マスク氏=右)/(C)ロイター

 来年1月の政権発足を前に人事を本格化させているトランプ次期米大統領。内定している面々を見ると、ひと癖もふた癖もある人物ばかり。トランプ支持者は新たなメンツに狂喜しているというが、果たして空中分解せずに済むのかどうか。

 4つの刑事事件で訴追されているトランプは、司法長官に共和党のマット・ゲーツ元下院議員を指名。トランプ側近のゲーツを司法省のトップに送り込む人事は司法への「報復」と受け止められている一方、少女売春などの容疑で司法省の捜査対象になったことがあるゲーツの起用に批判が続出している。

 スネ傷を抱えるのは、国防長官候補のピート・ヘグセス氏もしかり。退役軍人からFOXニュースの司会者に転じた人物で、政策立案に関わった経験はない。異例の起用が発表された直後に性的暴行疑惑が浮上し、物議を醸している。

 司法、国防長官人事に早速ミソがついているが、トランプはお構いなし。厚生長官には、こともあろうに「反ワクチン活動家」「陰謀論者」として知られるロバート・ケネディ・ジュニア氏を指名する見通し。ケネディは大統領選に無所属で出馬したが、途中で離脱してトランプ支持に回った。出馬する際、名門ケネディ家から総スカンをくらった“異端児”だ。

 トランプ勝利に貢献した実業家のイーロン・マスク氏は新設される「政府効率化省」のトップに内定。ただ、マスクが財務長官人事に“口出し”していることにトランプ陣営内部で反発が広がっているという。

 FBI長官にはトランプが「ある意味、クレージー」と太鼓判を押すFBI解体論者で元国防総省幹部のカシュ・パテル氏が取り沙汰されるなど、政権発足前から波乱含みだ。

 第1次トランプ政権で閣僚の辞任・更迭が相次いだだけに、クセの強いメンツを並べて政権を維持できるのかどうか。

 再び“更迭ドミノ”のような事態は起きないのか。

「名前の挙がっているメンバーは言ってみれば、『半分トランプ』みたいな人ばかり。トランプ氏にとっては忠誠心が高いかどうかが身体検査であり、その意味では“完璧”な人事です。周りから見れば適格性に問題があっても、トランプ氏にとっては最適。辞任・更迭ラッシュは起きないでしょうが、下で働く官僚は次々に辞めていくでしょう。トランプ氏からすれば、人事を批判する人や辞めていく官僚はなべて『ディープステート』、すなわち戦うべき敵であり、一掃できた方が都合がいいのです」(上智大教授・前嶋和弘氏=現代米国政治)

 まさかのトランプ勝利に揺れる超大国の行方が、ますます混沌としてきた。

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