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米ツアーで生き残るために必要なものは何か…壁に立ち向かうか、諦めるかはその人次第(羽川豊)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月20日 9時26分

米ツアーで生き残るために必要なものは何か…壁に立ち向かうか、諦めるかはその人次第(羽川豊)

星野隆也も「最高峰」へ昇格(C)ロイター

【羽川豊の視点 Weekly Watch】

 日米女子ツアーの来季シード選手が決まりました。米ツアーのポイントランクがギリギリ80位だった勝みなみは、前週の試合で78位に上がり3季目に入ります。

 吉田優利と稲見萌寧はシード圏外となり、報道によれば吉田は再び予選会を受け、稲見は国内ツアーに戻るようです。

 米ツアーは世界から力のある選手が集まります。目標が明確で、それを実現するために何が必要なのか日々考え、努力する人が戦い続けるステージです。

 例えば、飛距離で劣れば、ショットや小技の精度を上げればいいのですが、同組選手のボールの止め方、アプローチやパットのうまさを見ると「かなわないな」と思うこともあるでしょう。

 壁に立ち向かうか、諦めるかはその人次第です。

 今季限りで引退を決めたツアー11勝のL・トンプソンはまだ29歳です。10年前、19歳でメジャーに優勝。今でもショット力は抜群ですが、小技にやや難があり、スコアメークに苦しみ続けて戦う意欲が低下したのではないか。

 厳しい舞台に、新たに挑戦する日本勢もいます。竹田麗央は日米共催ツアーのTOTOジャパンに勝ち、来季は米ツアーを主戦場とし、山下美夢有、岩井明愛・千怜姉妹らも12月の予選会を受けます。この4人はいずれも海外メジャーに出場経験があり、ある程度の手応えを掴んだはずです。これから米ツアーを目指す者も、まずは国内で海外メジャーの出場資格を取り、実際に経験してみることです。そこで何が通用し、何が足りないのかを肌で感じることです。

 世界最高峰のツアーでプレーを続けることは容易ではありません。ショット、アプローチ、パットのいずれかひとつでも不安があると、それが負担となり成績は落ちていきます。強い向上心と「総合力」のある人だけが生き残る。それが米ツアーなのです。

 17日深夜、朗報が入ってきました。星野陸也が欧州ツアーのポイントランクで「有資格者を除いたトップ10」に入り、来季のPGAツアー出場権を獲得しました。欧州からPGAへの昇格は、昨季の久常涼に続いて2人目。これで来季の日本勢は、松山英樹、久常、下部ツアーから昇格した大西魁斗に星野の4人です。さらに条件をクリアした平田憲聖が最終予選会を、金谷拓実、石川遼は2次予選会から受けます。

 男子ゴルフもサッカーや野球のように、多くの日本選手が海外で活躍するのが当たり前の時代がもうすぐやってくるのではないか。

(羽川豊/プロゴルファー)

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