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頭痛の正しい対処法(4)大切なのは危ない頭痛なのかを知ること

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月22日 9時26分

頭痛の正しい対処法(4)大切なのは危ない頭痛なのかを知ること

写真はイメージ

 頭痛には脳腫瘍や脳出血といった命に関わる病気が隠れているものもあります。脳外科の名医として知られ、数多くの患者を診てきた「丸ノ内なかごみクリニック」の中込忠好院長は、こう話します。

「脳内出血やくも膜下出血などの病気による頭痛を2次性頭痛と呼んでいますが、多くは意識障害や発熱、嘔吐、麻痺などの神経症状が出ます。命に関わる病気ですのですぐに治療が必要です」

 くも膜下出血による頭痛は、頭痛が起きた時間が分単位まではっきりとわかり、ハンマーで殴られたような激しい頭痛が起きます。

「このような頭痛では早急に救急車を呼んでください。ただし、出血量が少なければ、それほど強い痛みがない場合があります。高齢者は頭痛よりも胸の痛みや腹部の痛みとむかつきを訴えることがあります。ただ、頭痛が起こった時間がはっきりしている点は共通していますので、できるだけ早く病院に行くことをお勧めします」

 くも膜下出血は脳の血管にできたこぶ、脳動脈瘤の破裂によって起こります。中込院長によると、動脈瘤は遺伝的にできやすい人がいるので、家族にくも膜下出血の経験がある人や高血圧、喫煙歴がある人は、予防のためにも40歳を過ぎたら脳動脈瘤の有無を調べるMRI検査を受けるといいそうです。

「もし、脳動脈瘤が見つかり、大きさが5~7ミリ以上の場合は、予防手術を考えるのが一般的です」

 くも膜下出血につながる椎骨動脈解離(脳動脈の一つである椎骨動脈が裂けること)も激しい頭痛が現れます。後頭部の激痛や頚部(首)に痛みが出ることもあるそうです。

「椎骨動脈解離は、後になってくも膜下出血や脳梗塞につながるため、後頭部や首の痛みにも注意が必要です。早期に発見すれば治療が可能です」

 また、2~3年前から注目されているのがRCVS(可逆性脳血管攣縮症候群)です。突然発生し、1分以内に痛みがピークになる頭痛(雷鳴頭痛)です。50歳前後の人に多く、数分で治まることも数日かかることもあります。

「患者さんの中にはシャワーを浴びている最中に、突然激しい頭痛に見舞われたという人もいます。いきみやせき・くしゃみなどがトリガーとなるのですが、CT検査をしても異常がなく、詳しいことはわかっていません。ただ、画像を見ると脳の血管がデコボコしているのがわかります」

 誰もが経験したことのある頭痛ですが、自分の頭痛がどんなタイプなのか、危ない頭痛なのかを知り、適切な対策をとることが大切です。頭痛は治らないと諦めている人も、一度、頭痛外来に足を運んでみたらいかがでしょう。 =おわり

(医療ジャーナリスト・油井香代子)

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