増加している早期乳がんは“切らない”治療で治す…再発率は切除と同等
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月22日 9時26分
また、標準治療である乳房温存療法と同様に、治療後に放射線治療を組み合わせる必要がある。
「放射線治療を終えた3カ月後に針生検でがんの焼き残しがないか確認し、万が一、腫瘍の残存が見つかった場合には手術を行います。これまでの報告では、部分切除に移行した割合は2.6%程度と少ないことが明らかではありますが、RFAの実施から5年間は定期的に通院して経過観察を行っています」
今回、適用になったのは、腫瘍の直径が1.5センチ以下の早期乳がんだ。ほかにも腋窩リンパ節への転移が認められない限局性早期乳がん、放射線治療や抗がん剤治療の既往歴がない、20歳以上の女性といった厳密な条件が定められている。
「RFAは切除の手間がない簡便な方法なため、2000年代初頭に自費診療下での治療が一部の医療機関で普及して、適応のルールが定められないまま実施されていました。その結果、再発や転移が見つかる患者が続出した苦い歴史があります。そこで、日本乳癌学会は適正使用指針を定め、厳密な適用基準だけでなく、術者側に対しても認定制度を設けています。日本乳癌学会のHPでは患者さん向けにRFAに関する情報が公開されているので、適宜チェックするといいでしょう」
現在、日本乳癌学会が認定しているRFAの承認施設は、全国80カ所以上にのぼる。
早期乳がんは、適切な治療を受ければ5年生存率は95%を超えるのに対し、早期乳がんは自覚症状がないことから自己発見が難しい。
検診を後回しにせず、万が一、早期乳がんが見つかった際に備えて、RFAも選択肢にあることを覚えておきたい。
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