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森脇浩司は二軍監督時代、朝9時から19時まで猛練習 休日も事前予告なしで選手は激ヤセ【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月23日 9時26分

森脇浩司は二軍監督時代、朝9時から19時まで猛練習 休日も事前予告なしで選手は激ヤセ【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】

ダイエー二軍監督時代の森脇浩司(C)日刊ゲンダイ

【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】#32

 森脇浩司

  ◇  ◇  ◇

 現役時代は近鉄、広島、ホークスを経験し、指導者としてもさまざまな球団を渡り歩いた森脇浩司さん(64)。僕にとってはスタッフとしての心構えを1から10まで叩き込んでもらった大恩人です。

 選手にはとにかく厳しく、二軍監督を務めた2003、04年はそれが顕著でした。それまで二軍の練習は緩く、お昼過ぎくらいには全てのメニューが終わってしまっていた。それを森脇さんは朝9時から19時までみっちりやり、しかも野手はそのうち8、9時間はスローイング付きの守備練習です。選手はみんなボロボロで激ヤセ。当時、二軍マネジャーだった僕のところにも散々、愚痴が寄せられましたが、森脇さんは「絶対に選手の味方はするなよ」とピシャリと言われました。

 キャンプやオフの教育リーグでも、休日がいつかを言わない。もちろん、休みはありますが、あえて「いつが休みか」を言わないのです。「一軍が休んでいる時こそ、二軍は練習すべし。でなければ、絶対に一軍選手は抜けない」というのが森脇さんの考えです。

 休日も「遊びに行くのはいいけど、ひと汗流してから行きなさい」という方針。最初は文句タラタラだった二軍選手も、

森脇「昨日の休みはどうだった?」

選手「午前中、軽くマシンで打って、守備練習してから遊びに行きました」

森脇「うん、OK」

 といった感じで、自主練習するのが当たり前になっていました。

 森脇さんは野球選手は野球がうまければそれでいい、という考え。人に迷惑をかけたり、まして犯罪などは論外ですが、「東大生は野球がうまい必要はない。野球選手も同じこと」というのが持論。森脇さんの思想は実業家からも一目置かれており、ダイエー本社の幹部から「彼は野球界以外でも、人の上に立てるタイプ。むしろ、野球界だけに置いておくのはもったいない」と絶賛されたこともあります。

 実は現監督の小久保裕紀も似ている面があります。森脇さんとは逆に「野球選手の前に、まず社会人たれ」という考えですが、ともに過去の偉人や経営者の本を読んで知識をたくわえる勉強家。小久保監督も「人間に平等に与えられているのは時間だけ」「コーチというのは、同じことを言い方を変えて、ずっと言い続けられる人」など、森脇さんの言葉を引用、実践することもある。

(田尻一郎/元ソフトバンクホークス広報)

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