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世界市場から脱落する日本株…また8銘柄が米MSCI「全世界株指数」から脱落の衝撃【株のカラクリ】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月24日 9時26分

世界市場から脱落する日本株…また8銘柄が米MSCI「全世界株指数」から脱落の衝撃【株のカラクリ】

フジクラの岡田直樹社長(C)日刊ゲンダイ

【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】#138

 日本株の地盤沈下が続いている。世界で多くの機関投資家が運用の基準にするMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)の「全世界株指数」で、日本企業の構成銘柄を減らす動きに歯止めがかからない。最高値を更新し続ける米国株に比べ、日本株の相対的な株価パフォーマンスが劣っているのが要因だ。

 米MSCIは11月6日、代表的な全世界株指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」から日本株を7銘柄削減すると発表した。採用はフジクラの1銘柄のみで、除外は8銘柄(浜松ホトニクス、イビデン、京成電鉄、マツダ、日本プロロジスリート投資法人、野村不動産HD、ローム、SUMCO)である。

「MSCI ACWI」は先進国23カ国・新興国24カ国の大型・中型株で構成され、世界の株式時価総額の約85%をカバーする指数。四半期(2、5、8、11月)ごとに時価総額や流動性を基準に組み入れ銘柄の定期見直しを実施していて、2024年10月末は2687銘柄で構成されている。

 同指数に連動するパッシブ運用の資金は巨額で、採用や除外がその企業の株価に与える影響は極めて大きい。フジクラは生成AⅠ関連銘柄として注目され今年株価が大幅上昇。10月末の時価総額は1兆6958億円と、23年末の5倍に急増した。

「MSCI ACWI」の日本株の今年の見直しを振り返ってみる。2月は1増(銘柄はSCREEN HD)、8減。5月では1増(アシックス)、15減。8月では、1増(KOKUSAI ELECTRIC)、6減で、11月を含めた通年では4増、37減である。日本株は07年のピーク時には398銘柄が組み入れられていたが、今年11月末には半分以下の191銘柄である。日本株の構成銘柄からの除外が長く続くのは由々しき問題で、日本株の国際的なプレゼンスの低下は、海外投資家の日本株離れの材料となる。最近、日本の株価がNY株価に連動しないのもそこに原因があるのだろう。

 フジクラのような成長株の出現が待望される。(丸)

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