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歌手・伊藤咲子さん 一度落ちた「スタ誕」で朱里エイコさんの歌い方をマネたら370点の高得点【人生を変えた一曲】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月25日 9時26分

歌手・伊藤咲子さん 一度落ちた「スタ誕」で朱里エイコさんの歌い方をマネたら370点の高得点【人生を変えた一曲】

伊藤咲子(提供写真)

【私の人生を変えた一曲】

 伊藤咲子さん(歌手/66歳)

  ◇  ◇  ◇

 一世を風靡したオーディション番組「スター誕生!」から「ひまわり娘」でデビューし、今年、歌手生活50周年を迎えた伊藤咲子さん。人生を変えた一曲は、1973年にヒットした朱里エイコの「見捨てられた子のように」。デビューと復帰の2度のご縁という。

 デビューの1年前、私は「スター誕生!」を毎週見ていて、朱里エイコさんがかなりの頻度でゲスト出演されていたんです。ある日歌われた新曲が「見捨てられた子のように」。パンチのある歌唱力はもちろんのことミニスカートから伸びる脚もスラッとしていて「カッコいい!」と強く印象に残りました。

 翌年、「スター誕生!」のオーディションで「漁火恋唄」(小柳ルミ子)を歌って通過した私はテレビ予選に出演しましたが、最初は落ちたんです。

 その時に番組の名物プロデューサーの池田文雄さん、通称池文(イケブン)さんから「ハガキ応募はしなくていいからもう一回来ないか」と声をかけていただき、オーディションを受けずにテレビ予選に再挑戦しました。

 前回は審査員の松田トシ先生(歌手・声楽家)から「あなた、息が漏れてるわ」と言われてしまい、選曲をどうするか悩んだ末、ひらめいたのがこの一曲、「見捨てられた子のように」でした。

■15歳には難しい曲だったけど、なぜかひらめいて

 250点以上とれば合格ですが、前回は101点。それが再挑戦ではなんと370点を獲得して見事合格。決勝大会に進めました。決勝でも「見捨てられた──」を歌い、客席にいるレコード会社、プロダクションのスカウトの方たちの11社ほどのプラカードが上がり、デビューが決まったんです。

 だから、15歳で歌手になれたのは朱里さんのこの曲のおかげ。「見捨てられた──」は15歳の私が歌うには歌詞が大人っぽくて、当時の私には意味なんかわからなかったけど(笑)。エレキギターやホーンセクションから入り、歌のメロディーもモダンな雰囲気もカッコよかったから、朱里さんの歌い方をマネただけ。地声を張り上げられるこの歌は合っていたんでしょうね。

 朱里エイコさんといえば前年のヒット曲「北国行きで」の方が世の中に浸透していて「見捨てられた──」は少し時代が早かったかもしれませんが、私は絶対にこの一曲がオススメです。

朱里さんとはデビューと芸能界復帰時の2度の縁

 芸能活動中に朱里さんとはお会いできず、実際にお会いしたのは私がお休みしていた期間。“あの人は今”のような番組があってオファーがありました。引退して何年も経つし、事務所には入っていない立場ですから、遠慮しようと思ったのですが、台本を見ると朱里さんの名前があり、「朱里さんと会えるんだ!」と急に出演を決めました(笑)。

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