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悲願の初優勝 2代目琴桜の覚醒要因...来場所は豊昇龍との「ダブル綱とり」へ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月26日 9時26分

悲願の初優勝 2代目琴桜の覚醒要因...来場所は豊昇龍との「ダブル綱とり」へ

琴桜(C)日刊ゲンダイ

「優勝決定戦をしたり、優勝が近づいても(賜杯を)取れない苦しい場所が続きましたが、しっかりやれば賜杯を抱けるんだと実感しました」

 優勝インタビューで万感の思いを込めてこう話したのが、大関琴桜(27)だ。

 大関豊昇龍と1敗同士の相星決戦となった昨24日の千秋楽。相手の投げで体勢を崩す場面もあったものの、慌てず、すぐに立て直し、はたき込みで悲願の自身初優勝を手にした。

 琴桜の名を冠する力士が賜杯を抱くのは、祖父の初代琴桜が1973年7月場所で優勝して以来、51年ぶりだ。

 2代目琴桜は今場所が大関5場所目。大関昇進後は今年5月の11勝が最高成績だった。

 親方のひとりは「素質だけなら、とっくに優勝してもおかしくなかった」と、こう続ける。

「189センチ、178キロと体格は十分。相撲もうまく、土俵際の逆転を得意とするなど器用な面もある。ただ、どこかお坊ちゃん気質なのか、何が何でも勝とうという気迫に欠けていた。ガンガン前に出て攻めれば強いのに、それを貫けない。詰めも甘く、先場所、先々場所は後半に3連敗している。それが今場所は強気の相撲が目立った。要因はやはり、大の里の大関昇進でしょう。優勝経験がない自分をあざ笑うかのように、大の里は優勝2回。その上、大関昇進で同じ立場に並ばれた。ようやく危機感を抱き、ガムシャラにやれるところまでやろう! と覚醒したのではないか」

 来年1月は綱とり場所となる。果たして祖父と同じ地位を勝ち取れるのか。

「相撲そのものについては言うことはない。あとは今場所の精神力をキープし、今後も発揮できるかどうか。もっとも、これまでがこれまでですからね。綱とりの重圧の中で攻めの姿勢を貫けるのか懐疑的に見る親方衆は少なくありません」(前出の親方)

 八角理事長(元横綱北勝海)は「今場所は受け身ではなく攻めていた」と話し、高田川審判部長(元関脇安芸乃島)も「今場所は強い気持ちで前に出ていた」と話した。裏を返せば、気迫に欠ける精神的なモロさがあるということだ。

 ちなみに来場所は豊昇龍との「ダブル綱とり」も話題になっており、高田川審判部長も「豊昇龍は来場所の相撲次第」と話した。

 横綱ダブル昇進となれば、70年の北の富士、玉乃島(玉の海)以来の快挙。チャンスを逃さず、ものにできるか。

  ◇  ◇  ◇

 大相撲と言えば、先場所限りで引退した貴景勝は、過去に2場所連続で「優勝に準ずる成績、優勝」しながら横綱になれなかった。いったいなぜか。貴乃花の元弟子だからなのか。日本相撲協会・八角理事長を直撃すると、意外な答えが返ってきた。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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