認知症の治療に加わる3つの新薬…11月20日から適用
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月26日 9時26分
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【第一人者が教える 認知症のすべて】
長らく認知症の新薬が出ていませんでしたが、昨年から今年にかけて3種類の薬が登場しました。
昨年9月に薬事承認され、12月に薬価が決定したのが、アルツハイマー型認知症の原因物質アミロイドβを除去するレケンビ(一般名レカネマブ)です。
そして今年9月には、レケンビと同様の作用機序の薬「ケサンラ(一般名ドナネマブ)」と、抗精神病薬「レキサルティ(一般名ブレクスピプラゾール)」が承認されました。
ケサンラの薬価は、レケンビと同様に12月くらいに決定するのではないかとみられていましたが、それより早く11月13日に中医協総会が薬価収載を了承、同月20日から適用となっています。
そこで今回はまず、レケンビとケサンラについて、どういう薬か紹介しましょう。
1999年以降、日本ではアリセプト(一般名ドネペジル塩酸塩)をはじめ4種類の薬がアルツハイマー型認知症に承認されていましたが、いずれも症状を緩和する対症療法薬で、効果の持続期間も限定的でした。アリセプトでいえば、だいたい1年ほどすると薬が効かなくなってしまっていたのです。
一方、ケサンラは前述の通り、昨年承認のレケンビと同じく、アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβに直接働きかけ、除去する薬です。
これらの薬の開発は、世紀の大発見から始まりました。
1999年、米国のデール・シェンク氏らが、アルツハイマー型認知症と同様のモデルマウスを使い、アミロイドβを注射し生体内でアミロイドβの抗体を作らせると、18カ月後もアミロイドβが増えないという研究結果を医療におけるトップジャーナルに発表したのです。
この結果に研究者は大きな期待を寄せました。しかし、人を対象とした治験では重い副作用である脳炎が発生、開発は中止になりました。
しかし、その後の研究で、アミロイドβの抗体がアミロイドβを取り除いていたことが判明。そこでアミロイドβそのものを注射し体内で抗体を作らせるワクチン療法ではなく、アミロイドβの抗体を体内に入れる方向で薬の開発が盛んになっていったのです。
根治の未来が見えてきた
現在、アルツハイマー型認知症でわかっているのは、症状が出る20年以上前からアミロイドβが脳にたまりはじめ、次にタウタンパクが蓄積・凝集するようになり、やがて神経細胞の変性が起こり死滅。脳が萎縮してアルツハイマー型認知症に至るということです。
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