歯の治療を受けるならクスリに注意(1)【骨粗しょう治療薬】外科処置で顎骨壊死の発症リスク
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月26日 9時26分
写真はイメージ
日本調剤の調査によると、日本で日常的に何らかの薬を服用している人の割合は約4割で、60代以上の高齢者になると6割以上の人が該当する。このように、持病を抱えて毎日薬を飲むのが当たり前になっている人は、歯科治療を受ける際は気を付けなければならない。
中でも特に注意が必要なのが「骨粗しょう症」の治療薬だ。骨粗しょう症は、骨の量が減って強度が低下し骨折しやすくなる病気で、日本では約1300万人の患者がいるといわれている。
治療は薬物療法が中心で、病状に応じて①骨吸収を抑制する薬(ビスホスホネート、抗RANKL[デノスマブ]、カルシトニン、SERMなど)、②骨の形成を促進する薬(ビタミンK2、副甲状腺ホルモン[テリパラチド]など)、③骨代謝を調節する薬(カルシウム、活性型ビタミンD3など)が使われている。
このうち、①ビスホスホネートなどの骨吸収抑制薬を長く服用している人は、歯科治療のリスクが高くなるという。
小林歯科医院院長の小林友貴氏は言う。
「ビスホスホネートを使用している患者が、抜歯などの外科的な歯科治療を受けると、まれに『顎骨壊死』を発症するケースが報告されています。顎の細胞や組織が死んで骨が腐った状態になり、口腔内細菌の感染によって顎の痛み、腫れ、化膿といった症状が出る病気です。悪化すると、顎の骨が折れたり、皮膚の表面に穴が開いて膿が漏出するケースもあります」
ビスホスホネートを長期使用している患者の外科的な歯科治療を行う場合、以前は「3年以上服用している人は3カ月の休薬の後で処置を行う」とされていた。
「しかし、研究が進んだ結果、現在は『低用量であれば休薬は必要ないのではないか』との見解が主流になっています。原則的に休薬はせず、口腔内の炎症を少なくするために歯石除去や殺菌などの処置を行ったうえで治療の1時間前に抗生剤を服用してもらってから外科的な治療を実施します」
ビスホスホネートなどの骨吸収抑制薬は骨粗しょう症に対して非常に有効な薬で処方されている患者は多く、長く使用している人が歯科治療を受けに来るケースは少なくないという。
該当する人が歯科治療を受ける際は、お薬手帳を持参したり、治療前に使っている薬を歯科医に伝え、指示にきちんと従いたい。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
将来の骨折を防ぐ「骨ケア」30~40代から必要な訳 上皇后美智子さまも10月に右大腿骨上部を骨折
東洋経済オンライン / 2024年11月18日 9時40分
-
「医師」「歯科医師」「獣医師」の3分野で「給料」に違いはあるのでしょうか?すべて高収入のイメージですが…
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月16日 4時40分
-
だいたひかる 20年に発症の指定難病の検査へ「骨が潰れてきていないとの事でホッ」
スポニチアネックス / 2024年11月15日 19時23分
-
痛みが消えても進行は続く…「虫歯」を放置すると命に関わる病気につながる危険あり
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月15日 9時26分
-
骨代謝における骨形成タンパク質BMP3bの機能を解明
PR TIMES / 2024年11月7日 12時45分
ランキング
-
1【加熱式湯たんぽ】電子レンジ対応なのに温めたら破裂→やけど どうして? 意外とやりがちなNG行為とは?
オトナンサー / 2024年11月25日 22時10分
-
250代おひとりさま、貯蓄が「400万円」は多い? 少ない? しっかり老後資産を増やすためには?
オールアバウト / 2024年11月25日 21時20分
-
3究極に美味しい「たらこスパゲティ」の作り方。コツは1つだけ:11月に読みたい記事
女子SPA! / 2024年11月26日 8時44分
-
438歳“理想の彼氏”の正体が衝撃的すぎた…29歳女性が直面した悪夢
日刊SPA! / 2024年11月25日 15時52分
-
5通話料12万9321円の請求、中1息子が通話中のまま放置 その理由に唖然「高い勉強代だけどため息」「LINEの無料通話に慣れて…」
まいどなニュース / 2024年11月26日 7時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください