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《20試合を切ったら死活問題。何とかして欲しい》トップ選手の悲痛な叫びはJGTOに届いているのか(宮崎紘一)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月29日 9時26分

《20試合を切ったら死活問題。何とかして欲しい》トップ選手の悲痛な叫びはJGTOに届いているのか(宮崎紘一)

桂川有人(C)日刊ゲンダイ

【世界ゴルフ新潮流】

「20試合を切ったら僕らの死活問題になります。何とかして欲しい」

 ツアー関係者にそう訴えたのは、ある男子のトッププロだ。もちろんこれは彼個人の意見だけではなく、大勢のツアープロの声を代弁した言葉でもある。

 彼の話では、来季の国内男子ツアーは「長嶋茂雄招待・セガサミーカップ」と、日本ゴルフツアー機構(JGTO)が主催し、選手会などが共催する「フォー・ザ・プレーヤーズ・バイ・ザ・プレーヤーズ」の2試合が消滅する可能性があるというのだ。

 この件をJGTOに問い合わせたところ「まったく聞いていません」との返答だったが、今年が最後になりそうな大会はまだある。国内で初の開催となった欧州ツアー「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」は、今季が3年契約の最終年。継続するかは審議中だが、来季は3試合が消滅するかもしれないのだ。

 今季は52年の歴史を誇る「マイナビABC選手権」を筆頭に「ASO飯塚チャレンジド」と「ゴルフパートナー・プロアマ」の3試合が消え、負の連鎖が続いている。

 冒頭のプロは、2025年度の国内男子ツアーが今季の24試合から21試合になることを懸念しているのだが、さらに「国内ツアーが20試合を切れば、世界ランキングポイントにも重大な影響を及ぼし、我々の将来や生活にも大きく響く」というのだ。

 世界ランキングのポイント(P)計算は複雑だが、簡単に言うと、過去2年間の出場大会の獲得Pを出場試合数で割り、平均点が大きい者が上位にランクされる。

 出場試合数が40以下の場合は「40」で割り、平均を算出してランキングを決める仕組みなのだが、2年前からPGAツアーのように強豪選手が多数参戦する大会はレベルが高いことからPが多くなり、逆に、国内ツアーのPは激減した。

 例をとれば、全米オープンなどの海外メジャーの優勝者は100Pだが、国内最高権威を誇る今年の日本オープンに優勝してもたったの7.24855Pだった。他の大会は推して知るべしで、これでは、国内でどんなに頑張っても、マスターズや全米オープンの出場要件である世界ランク50位以内には届かない。

 国内の男子プロにとって救いなのは、2試合前後の新規トーナメントが誕生しそうな話があることだが、近年の流れでは国内ツアーの試合数が20を割り込むのは「時間」の問題ではないか。

(宮崎紘一/ゴルフジャーナリスト)

  ◇  ◇  ◇

 国内男子ツアーの人気低迷ぶりは悲惨の一言に尽きる。日程は虫食い状態で録画放送がはびこり、コースは低レベル。なぜこんな事態に陥ったのか。いったい誰が「元凶」なのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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