ソフトバンク「大戦力」ゆえ悩ましい移籍志願選手の殺到…他球団に最も多く選手を“輩出”
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月29日 11時37分
吉田輝星(C)共同通信社
まさにバラ色のオフだ。
オリックスの吉田輝星(23)が昨28日に契約更改を行い、2100万円アップの年俸3700万円で一発サイン。
「ものすごく感謝しかない」
と満面の笑みを見せた。
吉田は2018年ドラフト1位で日本ハムに入団。先発としては芽が出ず、22年に主に中継ぎとして開花するも、不調にあえいだ昨季の出場は3試合止まり。オフに黒木優太とのトレードでオリックスに移籍すると、今季は50試合で4勝0敗、14ホールド、防御率3.32。キャリアハイの成績を残した。
吉田は会見で「環境が変わったことで成績が出せた」と話したように、近年は移籍をきっかけに素質が開花する選手が少なくない。
22年現役ドラフトでDeNAから中日に移籍した細川成也は、昨季から2年連続140試合以上に出場。今季は主に4、5番を打つなどクリーンナップを務め、打率.292、23本塁打、67打点の好成績だった。
他にも楽天→DeNAの森原康平は、押しも押されぬ守護神へと変貌。オリックス→中日の齋藤綱記も、勝利の方程式の一角に定着した。
近年、最も多く選手を他球団に“輩出”しているのがソフトバンクだろう。
22年現役ドラフトで阪神に移籍した大竹耕太郎は、2年連続2ケタ勝利を達成。21年オフに戦力外となった加治屋蓮も阪神に拾われ、中継ぎとして活躍中だ。23年1月、FAで加入した近藤の人的補償で日本ハムに移籍した田中正義は守護神の座を勝ち取った。昨年の現役ドラフトで日本ハムに移籍した水谷瞬は、交流戦で大ブレーク。ソフトバンク時代は一軍経験ゼロだったにも関わらず、今季は97試合で打率.287、9本塁打、39打点である。
ソフトバンクは今年のドラフトでも育成選手を13人指名した一方、仲田慶介や佐藤琢磨など戦力外になった選手は続々と移籍先が決まっている。保有選手は今季終了時点で12球団最多の120人(支配下70人、育成50人)。優秀な選手が出てくる確率は高いが、選手が多いがゆえの悩みも絶えない。
「それこそ水谷が顕著です。打撃の素質は十分でも、外野守備はお粗末。一軍にポジションが空いていれば我慢して起用もできたが、外野は柳田、近藤、周東がおり、入る隙がない。選手が多ければ多いほど、チーム事情で素質のある選手を諦めざるを得ない。しかも、22年オフは近藤、昨オフは山川を獲得するなど、補強に積極的なので余計に上が詰まってしまいがちです」(球団OB)
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