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大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか【老舗ライバル球団に明暗 大山FA騒動の舞台裏】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月30日 11時0分

大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか【老舗ライバル球団に明暗 大山FA騒動の舞台裏】

大山悠輔(C)日刊ゲンダイ

 巨人移籍が有力視された中で、まさかの残留表明である。

 29日、国内FA権を行使した阪神の大山悠輔(29)が残留会見。5年総額20億円規模の大型契約を結んだ虎の主砲は、「(先日のファン感で)スタンドで多くの僕の赤いタオルを広げてもらい、すごくうれしかった。名前を呼ばれた時の歓声が嬉しかった」などと、決断の理由を挙げた。

 その大山の去就を巡って球界では、「巨人入りが規定路線」と見る向きが多く、実際、巨人は阪神の条件を上回る6年24億円以上の超大型契約を提示し、最大限の誠意を見せていた。

 コーチ経験のある球団OBは「まさか残留するとは思いませんでした」と驚いた表情でこう言う。

「大山は関東の茨城出身で、阪神からドラフト1位指名された際には、ドラフト会場やファンの冷めた反応にショックを受けた。関西のメディアとの関係も必ずしも良好とはいえない。FA行使後は巨人の阿部慎之助監督(45)とも直接会談をして熱意を伝えられたそうですし、本人も今年は東京に足繁く通い、新居探しをしているともっぱらでした」

 さらにこのOBは、

「大山にとって誤算だったのは、一塁、三塁でポジションが重なる岡本和真がポスティングでのメジャー挑戦を断念したことでしょう。そもそも岡本は今オフのメジャー挑戦が既定路線と言われていた。大山は岡本の後釜として入るシナリオだったと聞いていましたから」と指摘するのだ。

 大山は岡本のメジャー挑戦が延期になったにもかかわらず、FA宣言した。阿部監督はメディアを通じてラブコールを送り、岡本の後の5番打者として期待を寄せ、「本人が一番懸念してるのは、阪神から巨人に行くということだけだと思う」と話していた。

 在阪の放送関係者は、「多くの阪神ファンが残留を熱望し、ドラフト時のトラウマは払拭できたことも大きいでしょうけど、最終的に巨人に行く勇気を持てなかった面もあると思います」と、こう続ける。

「出来高は別の6年24億以上の大型契約で巨人入りすれば、スター選手である坂本の年俸(5億円)、現在未更改ながら今季年俸4億2000万円の岡本の年俸と双璧をなす可能性もある。しかし、今季14本塁打に終わった大山が、3度の本塁打王を獲得している岡本と同等の成績を残すのは簡単ではない。さらに、阿部監督が『世紀の大FA先駆者になってほしい』とラブコールを送ったように、かつて阪神から巨人にFA移籍した前例はない。巨人ファンからの期待と重圧、阪神ファンによる反発を受け止めるには、相当の覚悟が必要。家族にも大きな負担をかけますから」

 結局、阪神残留のどんでん返しとなったが、これで大山は今季年俸の2億6000万円から「5年20億円」の大幅昇給。かつて長年、遊撃レギュラーとして活躍した鳥谷敬が14年オフににFA宣言し、年俸3億円から5年20億円規模で残留した。鳥谷はメジャーと比較しての残留だったが、図らずも同規模の条件だ。来季以降はファンもメディアも今まで以上に厳しい目を向けるはず。VIP待遇に見合う成績と活躍度が求められる。


  ◇  ◇  ◇

 巨人は異例のラブコールもむなしくフラれたわけだが、球団OBの評論家は「これで良かった」と安堵している。大恥をかいたのにいったいなぜか。巨人に大山は不要な理由とは。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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