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陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月30日 9時26分

陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

三笠宮妃百合子さまの通夜の前に宮邸を弔問された上皇ご夫妻=24日午後、東京・元赤坂の赤坂御用地(代表撮影)

 11月24日に行われた故・三笠宮百合子さまの弔問の様子を報じたVTRをめぐって、X(旧ツイッター)で妙な言説が沸き上がっている。弔問には天皇皇后両陛下をはじめ、皇族方も続々と三笠宮邸を訪れていたが、このうち、上皇上皇后ご夫妻の弔問のシーンに対し、《上皇后は詐病でしょうね》といった声が上がっているのだ。

 Xには上皇上皇后ご夫妻が三笠宮邸から出る様子を報じたテレビニュースのVTRがアップされているが、これに対して、《杖が地面から離れ浮いている状態で4~5歩、歩いていらっしゃいますよね 超人的な回復力 只々びっくり》と驚く声や、《杖が地面についていないのに大腿骨骨折の上皇后美智子さま歩けてますね》という指摘が出ている。ITジャーナリストの井上トシユキ氏はこれらの声を「陰謀論の域を出ない」と一蹴しつつ、このような主張する人々の特徴を解説する。

■陰謀論者は「ストーリーを組み立てるためのエビデンスの『ようなもの』」が好物

 上皇后さまは10月8日に大腿骨の骨折の治療のため同箇所の手術を受けているが、これらの声の主の言いたいこと、それは、どうやら、大腿骨の手術にしては回復が早すぎ、発表された容体とは違うのではないかということのようだ。それが証拠に、《スッスッサーっと歩いて曲がってあら不思議》といぶかる声まで上がっている。

 確かに、VTRを確認すると杖が浮いているシーンはあるものの、ほんの4、5歩のことで、何ら不思議がるべきではない映像である。井上氏は妙な指摘をする人々の想像力のたくましさを指摘する。

「陰謀論者というのは、ストーリーを組み立てるためのエビデンスの『ようなもの』が手に入るや、そこから想像力を過剰に膨らませてしまいます。今回で言うと、上皇后さまが杖をつかなかったほんの一瞬のシーンを目ざとく見つけ、そこから『術後の回復の速度からして歩けるはずがない』という結論を導いているのです」

 その想像力を他のことに使う機会がないのか。突拍子もない指摘が相次いだ今回のVTRだが、陰謀論は陰謀論でも皇室ならではの騒がれ方はあるのだろうか。

「通常の著名人との差として、何か起こるまではその方を敬愛していたにもかかわらず、ひとたび『怪しい』と思ったが最後、その方に徹底的な批判が集中するという特徴があります。恐らく、皇室に対して陰謀論を唱えてしまう人は、皇室に対する過剰な『かくあるべし』という像を抱いているのではないでしょうか。その像から少しでも外れると、それまでの評価が文字通り反転してしまうのです」

 正に0か1かの思考である。

  ◇  ◇  ◇

 衆議院選挙の最中にも陰謀論が花咲いていた。関連記事【もっと読む】れいわ山本太郎代表入院で《毒盛られたか》と陰謀論…どんな人が言っていた? 識者が解説…では、れいわ新選組の山本太郎代表について降って湧いた陰謀論について、どのような層が陰謀論を唱えていたかを解説している。

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