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水虫の治療に使われる抗真菌薬は塗り薬も飲み薬も1日1回でOK【高齢者の正しいクスリとの付き合い方】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月30日 9時26分

水虫の治療に使われる抗真菌薬は塗り薬も飲み薬も1日1回でOK【高齢者の正しいクスリとの付き合い方】

白癬の原因である真菌の治療は長期戦

【高齢者の正しいクスリとの付き合い方】

 読者の中には、「水虫」で困っている方や治療している方がいらっしゃるかもしれません。一般的にも水虫という言葉はよく使われますし、CMなどでも耳にすることは少なくありません。今回は水虫の正体と治療に用いられるクスリについてお話しします。

 じつは水虫は通称で、正式名称は「白癬」といいます。白癬は、皮膚糸状菌と呼ばれる真菌の一種の感染によって、皮膚や爪などに引き起こされる病気です。真菌をわかりやすい言葉でいうと、いわゆるカビのことです。つまり、カビによる感染症のひとつとして白癬があるのです。

 みなさんは、水虫というと「足」を思い浮かべると思いますが、たしかに白癬の代表的な部位は足です(足白癬)。足といっても、足の爪が感染した状態を「爪白癬」といい、足白癬とは区別されます。今回は水虫の話なので詳細は割愛しますが、股部が感染するケースもあり、これは「インキンタムシ」と通称されます。

 白癬の原因はカビ、つまり真菌なので、治療には抗真菌薬が用いられます。抗真菌薬には外用(塗り薬)と内服(飲み薬)があり、症状に応じて選択されます。足白癬は皮膚が真菌に感染することで起こるため、皮膚に直接塗布する塗り薬が選択されることがほとんどです。

 一方、爪白癬の場合は、症状が爪の先端だけなら塗り薬が選択され、部位によっては液体の塗り薬(ローション)が用いられます。爪白癬が重度になり、爪全体に症状が及んでいる場合は塗り薬だけでは効果が得られないことが多く、そういった時には抗真菌薬の内服が選択されます。抗真菌薬を服用することで成分が血液を介して爪の内側から効果を発揮する、といったイメージです。

 抗真菌薬は白癬だけでなく他の真菌感染症にも用いられますが、すべてに共通しているのは「1日1回でよい」ということです。これは、塗り薬でも内服でも同じです。もしも1日2回という用法で処方されたら、薬剤師は主治医に「用法は合っていますか?」と問い合わせを行います。抗真菌薬を使われている方がいらっしゃいましたら、一度、ご自身のクスリの用法を確認してみてください。1日1回になっているはずです。

 興味深いことに、高齢になると足白癬は減少傾向になるといわれています。これは、仕事で靴を履きっぱなしにしていた時間が定年などで減少し、足の環境が良くなることに起因すると考えられます。一方、加齢とともに爪が伸びる速度がゆっくりになるため、爪白癬の頻度は高くなるともいわれています。

 白癬の原因である真菌の治療は長期戦になります。症状が落ち着いたからといって自己中断すると再発してしまうので、必ず医師の指示に従うようにしましょう。

(東敬一朗/石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師)

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