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NHK紅白歌合戦の出演陣は今年もチンプンカンプン…いっそZ世代とシニアで二分割したら?(桧山珠美)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月1日 9時26分

NHK紅白歌合戦の出演陣は今年もチンプンカンプン…いっそZ世代とシニアで二分割したら?(桧山珠美)

今年初出場組は10組(C)日刊ゲンダイ

【桧山珠美 あれもこれも言わせて】

「紅白歌合戦」の出場者を見てブツクサ言うのが恒例になってきた。とくに初出場歌手。今年は10組選ばれているが、「Omoinotake」「Creepy Nuts」「こっちのけんと」「Da-iCE」「TOMORROW X TOGETHER」「Number_i」「新浜レオン」「ILLIT」「tuki.」「ME:I」と名前だけ見ても、なにがなんだか。どう発音するのか。個人なのかグループなのか。J-POPなのか、K-POPなのか。

 ちなみに「tuki.」(つき)は15歳のシンガー・ソングライターで昨年配信リリースした「晩餐歌」が史上最年少でサブスクリプションの総再生回数3億回を突破、Z世代を中心に支持を集めている、らしい。「顔出しNG」だそうで、ということは昨年のAdoのように映像技術を駆使して派手に演出するのか。

 それより故郷の親兄弟に晴れ姿を見せたいと頑張っている演歌歌手に枠をあげたほうが、よっぽど世のため人のためだ。

 これからNHKは「紅白」関連の宣伝番組を入れ込んでくるが、その第1弾として26日に「みんなのベスト紅白 キックオフスペシャル」なる番組が放送された。沢田研二、中森明菜の懐かし映像に出演者一同大コーフン。確かに何十年経てもその熱量はすごいものがあった。それが今はどうか。出身地どころか顔まで消えてしまい、もはや国民的行事とは言いがたい。

日テレ「県民ソング栄誉賞」がウケる~

 たまたま同日に日本テレビでは「県民ソング栄誉賞」をやっていて、こちらは47都道府県の地元アーティストのナンバーワンを決めるものだった。

 たとえば、北海道は池田町出身のドリカム吉田美和、函館出身のGLAY、そして中島みゆきや松山千春、北島三郎、玉置浩二……。その中から選ばれたのはドリカムで町の人が「吉田かずおさんの娘、やっぱり歌うまいわなあ」といえば、ご本人もライブで「8丁目のかずおの娘、帰ってまいりましたー」とやるなど我が町の宝という感じで盛り上がっていた。

 余談ながら、私の出身地大阪はというと、てっきり上沼恵美子の「大阪ラプソディー」か、やしきたかじんの「やっぱ好きやねん」か、BOROの「大阪で生まれた女」、「宗右衛門町ブルース」か「雨の御堂筋」かと思ったら、なんと1位はドリカムの「大阪LOVER」というので仰天した。ちょっと帰らない間にそんなことになっていたとは! 時代の移り変わり、それも致し方なし。

 故郷のことになると誰もが熱くなるもので「県民ソング栄誉賞」は存分に楽しめた。しかも、ほぼVTRで歌手は登場しないので、コスパのいいことといったら!

「紅白」の裏にこれをぶつければ、こっちを見る人の方が圧倒的に多いのではないか。いっそのこと紅白を2つにして、Z世代、シニアに分割したらどうか。

(桧山珠美/コラムニスト)

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