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昨秋フリーに。誰かと会うことからしか何も始まらない…第二章もこうご期待!【武内陶子「今があるのは…」】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月1日 9時26分

昨秋フリーに。誰かと会うことからしか何も始まらない…第二章もこうご期待!【武内陶子「今があるのは…」】

武内陶子さん(C)日刊ゲンダイ

【武内陶子「今があるのは…」】#13

 5年間のラジオ番組を経て昨年秋に退職し、フリーに。最終回はフリーアナ生活のやりがいを聞く。

  ◇  ◇  ◇

 早期ではありますが定年退職になりました。関連会社に行く道もあったのですが、そこに甘えてしまうと想像できる範囲内の自分にしか会えない気がして、思い切ってフリーに。

 新たに始めたトークイベントでは、第1回のゲストにAI研究者で感性アナリストの黒川伊保子さんに来ていただきました。会場は東京タワーにほど近い愛宕山にある、太田道灌が開祖で徳川家康もお参りしたといわれる青松寺というお寺。以前からちょっとしたご縁があったのですが、私がフリーになった時に「一人一人の命が輝くようなお話のイベントをやりませんか」とお声をかけていただき、大喜びでやらせていただくことにしました。

 お寺でのトークライブなので「テライブ」。造語です(笑)。第1回のテーマが「AI」。ゲストの黒川伊保子さんとは前世は姉妹だったと思うほどの仲よしです。人工知能AIのはしりの研究者である黒川さんは、「AIに仕事を乗っ取られる不安がある」という問いには「AIはあくまで人間がやらせているもの。私たちは、AIにできない人間活動をしっかりやっていれば大丈夫!」と話してくれて。

 膨大なデータ処理や調べものなどはAIに任せて、人間は「生きること」を頑張ればいいと。日々の生活で出会いながら別れながら、愛しながらケンカしながら、ご飯を食べながら子育てしながらという一つ一つの人間活動を頑張って営むことが大切。そこはAIにはできないことだと。みんな、これからどうなるか不安だけれど、何か一つの光のように思えました。

 私は33年間NHKでアナウンサーを務めて「伝えること」をしてきた。誰かと会うことからしか何も始まらないし、会うことが大切だと学びました。私たちは一人では生きていけません。人間関係は時に苦しいこともありますが、幸せもまた人間関係の中にしかない。

「武内さんの話を聞くと元気になる!」と言われることがありますが、それは私が人生をもがきながら歩んでいるからかもしれません。

 アナウンサーの仕事は「伝える」こと。ゲストの方とトークして引き出した「キラッと光る」言葉を一つでも多く届けたい。私もそんな言葉に背中を押されてきましたから、これからは私が視聴者やリスナーのみなさんが小さなことでもいいから乗り越えられるように言葉を紡いでいきたいと思っています。

 今はふるさとの観光大使を務めさせていただいています。今の私をつくってくれたふるさとに恩返しがしたくて自分から「やらせてください!」と言いました。最後に、フリーの武内陶子の第2章は「ロックに生きる」がテーマ。乞うご期待!

(武内陶子/フリーアナウンサー 構成=松野大介)

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