阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月2日 11時32分
大山悠輔(C)共同通信社
結果的に残留したものの、超一流の厚遇を得たのが阪神の大山悠輔(29)だ。
国内FA権を行使した大山を巡っては当初、複数球団が興味、関心を抱いていた。最終的に5年20億円規模で残留要請した阪神と、6年24億円以上といわれる超大型契約を提示した巨人による一騎打ちに発展。阪神がこれを制した。
大山は先日の残留会見で、条件面だけで球団を選んだわけではないことを示唆していた。実際、阪神からの条件は巨人より下だったとの報道が少なくない。
日刊スポーツに寄せた本人の手記では、「自分の知らないところで臆測や誤報が飛び交う毎日。まだ何も決めていないのに『決断したと聞きました』と電話がかかってきたこともありました。(中略)一時期は『一体どうしたらいいんだ』と恐怖すら覚えましたが、これも勉強になったとプラスにとらえて前に進んでいきたいと思います」と明かすなど、悩み抜いた末の決断だったことがうかがえる。
たしかに条件は巨人の方が上だったのかもしれないが、阪神が用意した条件も破格には違いない。コーチ経験のある球団OBがこう言う。
「『5年20億円規模』といえば、かつての生え抜きスターとして、プロ野球歴代2位の1939試合連続出場を果たした鉄人・鳥谷敬と遜色ないとみられます。阪神の生え抜き選手としては、過去最高クラスの厚遇を得たことになる。巨人が争奪戦に加わったことで、当初は4年16億円程度とみられていた阪神の提示額は大きくハネ上がった。大山がいくら阪神への愛着をアピールし、条件面だけで決めていないと強調したところで、ヤリ手の代理人をつけて、結果的に阪神からより好条件を引き出し、FAバブルの恩恵を受けたのは間違いありません」
大山と直接交渉を行った藤川球児監督(44)や同僚選手はもちろん、阪神ファンからも残留を喜ぶ声が多いものの、来シーズンが始まれば話は別。大山にはこれまで以上の成績、活躍が求められる。
掛布雅之OB会長も注文
先日のOB総会で新たにOB会長に就任した掛布雅之氏は早くも、「4番として全てのゲームに出る気持ちでやってほしい」と注文を付けた。中軸としてシーズンを全うすることは、最低条件といっていいだろう。
「かつての鳥谷ならまだしも、大山に『5年20億円』の価値があるのか、と厳しい目を向けるOBも中にはいます。在阪マスコミとの微妙な関係も気になるところです。大山は若手時代からのマスコミ不信に加え、今回のFA騒動でもマスコミの目を気にして球団納会を欠席するなど、必ずしもうまくいっているとは言い難い。大型契約を結んだ今後、ますますマスコミからも厳しい目を向けられる。阪神のスター選手の宿命です。とはいえ、掛布雅之、岡田彰布しかり、歴代のスター選手は時にマスコミを煙たいと思いながらも適度な距離感を保ち、相応の関係を築いていました。かつて阪神を優勝に導いた星野仙一監督が『マスコミも戦力』と言ったように、良い意味でマスコミをコントロールできないと、活躍できなかったときに孤立無援に追い込まれかねません」(前出のOB)
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