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冷戦以降、自民への献金と要望の末に…36兆円を国内軍需企業が受注【自民党と企業献金 蜜月の半世紀】#14

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月3日 9時26分

冷戦以降、自民への献金と要望の末に…36兆円を国内軍需企業が受注【自民党と企業献金 蜜月の半世紀】#14

安保関連3文書を閣議決定、軍拡会見をする岸田首相=2022年12月16日(C)共同通信社

【自民党と企業献金 蜜月の半世紀】#14

 政治のみこむ軍産複合体(1)

 なぜ自公政権は、防衛費を激増させるのか。2023年度から27年度の5年間で総額43兆円。以前の計画の1.6倍にもっていく。中国や北朝鮮が日本を攻撃した時に備える。あるいは抑止力を持つことが本当の理由だろうか。

「憲政の父」といわれる政治家、尾崎行雄は1937年の議会で、軍事費の増加を批判した。

「仕方がないで済ませれば今後ますます軍事費が増え、国民は生活に不安を感じるようになる」

「軍備の拡大競争になった時、相手国と同等以上の軍事力を持つことができるのか」

 尾崎の言葉は今に当てはまる。

 それでも防衛費を膨張させる理由は、自民党と軍需企業との蜜月にあるのではないか。

 Tansaは冷戦が終わった翌年の1990年から2023年までを対象に、次の3点を調べた。

①防衛省側から軍需企業に対する戦闘機や艦船、燃料など装備品の発注額(各年トップ20社分)

②軍需企業トップ20社から、自民党の献金窓口である国民政治協会への献金額(公開されている22年分まで)

③日本経団連など軍需企業側の政策要望、政治への関与

 各年のトップ20社の受注額は、33年間の合計で36兆4182億円だった。

 一方で献金の総額は120億円。自民党への献金額に比べて、桁違いの金額を受注する構図だ。

軍需企業側が負担に応じるか

 23年は、三菱重工業が1兆6803億円受注した。前年比4.6倍だ。IHIや日本電気(NEC)、日立製作所、富士通も前年比で3~4倍の金額を受注している。岸田政権時の22年12月、防衛3文書を閣議決定し、防衛費を27年度までに1.6倍に増やすと決めたことが受注を増やした。

 財源はどうするのか。石破茂首相は9月の総裁選の最中、NHKの番組で防衛増税について次のように述べた。

「防衛費の増額によって利益を受ける会社からいただくことを真剣に考えたい」

 だが、軍需企業側が負担に応じるだろうか。

 軍需企業は日本経団連とともに、「そこまで我田引水?」と驚くような政策要望を長年にわたってしてきた。自分たちの利益をそぐことに対しては抵抗するだろう。

 次回からは、その時々の軍需企業側の要望を、受注額・自民党への献金額と合わせて報じていく。(=敬称略、つづく)

▽渡辺周(Tansa 編集長)日本テレビを経て2000年に朝日新聞入社。17年にワセダクロニクル(現Tansa)を創刊、電通と共同通信社の癒着を暴く「買われた記事」で、日本外国特派員協会「報道の自由推進賞」。寄付で運営し非営利独立を貫く。ご支援を!

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