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新薬の登場で認知症は早期発見がいよいよ重要になってきた【第一人者が教える 認知症のすべて】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月3日 9時26分

 もうひとつ、レケンビとケサンラの大きな違いといえば、投与の頻度でしょう。どちらも点滴で、レケンビが2週間に一度、ケサンラが4週間に一度。いずれも病院で行うことになります。レケンビとケサンラの治療を行うことができる医師、医療機関、さらにはフォローアップの医師、医療機関にはそれぞれ条件が定められており、どこでも受けられるわけではありません。

 個人的には、病院に通う頻度は少なければいいとは思っていません。2週間に一度の病院通いが、脳への刺激となることは往々にしてあるからです。患者さんの中には、2週間に一度の病院通いの日が、ショッピングの日や、お子さんやお孫さんとの交流の場になっていたりして、ポジティブに捉えている人も少なくありません。

 しかし、人それぞれ事情がありますよね。これまでレケンビで治療を受けていたけどケサンラへ切り替えられるのか、またはその逆は──? これに関してはまだ通達がないので、今後決まっていくものとみています。

 2つの薬の違いということで、値段についても触れましょう。11月13日に開催された中央社会保険医療協議会総会で、ケサンラの薬価は1瓶6万6948円とすることが了承されました。1日の薬価が8560円で年間の薬剤費は約308万円。これに対し、レケンビは体重50キロの人で298万円です。一見、ケサンラの方がやや割高ですよね。しかしケサンラは投与量は体重に関係ないので一律、レケンビは体重に応じて投与量が決まるので、体重が60~70キロ以上となると、レケンビの方が値段が高くなります。

(新井平伊/順天堂大学医学部名誉教授)

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