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問われる「新語・流行語大賞」の存在意義 省略語『ふてほど』受賞は「説得力に欠ける」と識者が指摘

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月3日 11時3分

問われる「新語・流行語大賞」の存在意義 省略語『ふてほど』受賞は「説得力に欠ける」と識者が指摘

阿部サダヲ(C)日刊ゲンダイ

「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」が2日、都内で発表され、ドラマ「不適切にもほどがある」(TBS系)を略した「ふてほど」が年間大賞を受賞した。

 トップ10には「裏金問題」「界隈」「初老ジャパン」「新紙幣」「50-50」「Bling-Bang-Bang-Born」「ホワイト案件」「名言が残せなかった」「もうええでしょう」が選ばれ、選考委員の辛酸なめ子氏(50)は「お金がらみの世知辛い言葉が多い。大谷翔平のウラには多額の不正送金をしていた水原一平氏の存在がある」とコメントした。

 大賞の「ふてほど」はギャラクシー賞ほか、今年のドラマ界隈の賞を総なめ状態。選考委員のやくみつる氏(65)は「コンプラ上、使えなくなっている流行語もあったので、逆説的に親和性がある。流行語大賞を問うてくれる言葉として『ふてほど』を選んだ」と大賞理由について語った。主演の阿部サダヲ(54)は「“ふてほど”って自分たちでは言ったことないんですけど、ドラマ全体が評価されたと思ってうれしい」と受賞の感想を述べた。

 同作の脚本の宮藤官九郎(54)作品からは13年の「じぇじぇじぇ」以来11年ぶり。同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏は「小粒感が否めない」としてこう続ける。

「クドカン作品の『じぇじぇじぇ』に比べると弱く、全体を通した流行が生まれにくい時代になってきている。また、阿部サダヲさんのコメントのように、省略語としてはやったかというとそこも説得力に欠けていました。それよりも、リリース早々にTikTokでアメリカの若者たちが動画をあげてバズり、日本の若者が追随したという『Bling-Bang-Bang-Born』や、セリフだけがTikTok動画で切り取られて拡散した『もうええでしょう』のほうが新語・流行語らしいのでは。大学で『地面師たち』の作品自体を知らず、SNSで大量に流れてくる『もうええでしょう』の元ネタについて聞いてくる学生もいました。実はSNSきっかけのほうが言葉が“独り歩き”していて流行語らしい。選考のあり方も変わりつつあるのかもしれません」

 リアルな流行語はSNSから──。

  ◇  ◇  ◇

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