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小籔千豊がフジ「アマチュアナイト」で見せる独特の存在感 「音楽=お笑い」発想の背景に迫る(鈴木旭/お笑い研究家)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月10日 9時26分

小籔千豊がフジ「アマチュアナイト」で見せる独特の存在感 「音楽=お笑い」発想の背景に迫る(鈴木旭/お笑い研究家)

ジェニーハイのメンバー(左から、小籔千豊、中嶋イッキュウ、新垣隆、くっきー!、川谷絵音)/(C)日刊ゲンダイ

 今秋から小籔千豊と山本彩がMCを務める「APOLLO AMATEUR NIGHT JAPAN ~NY発!伝説のサバイバルオーディション~」(フジテレビ系)の放送がスタートしている。

「アマチュアナイト」とは、ニューヨークの文化施設「アポロシアター」で毎週水曜日に開催されている、90年以上の歴史を誇る世界的なオーディションライブを指す。歌手やダンサー、ヒューマンビートボックスの名手など出演者は多種多様で、これまでにスティービー・ワンダー、マイケル・ジャクソン、ローリン・ヒルといったスターを輩出してきた。

 番組はその日本版。現在、予選大会を実施中で、来年2月には決勝ラウンドが行われる予定だ。優勝者には賞金1万ドルとアポロシアターへのゲスト出演権が贈られるのに加えて、吉本興業とユニバーサルミュージックの共同レーベルからのメジャーデビューも約束される。そんな番組で、独特の存在感を放つのがMCの小籔だ。

 本場のアマチュアナイトに出演予定の黒人女性が「もしブーイングを受けたなら、それは自分を成長させるチャンス」と答えるインタビューVTRが流れると「その通りや!」とうなり、対面オーディションの合否を発表する場面では「落ちても気にすなよ」と一言添える。程よく笑わせつつ、時に熱く時にこまやかな配慮を見せるのが実に小籔らしい。

 そもそも小籔は、吉本新喜劇の座員時代からお笑いコンビ・レイザーラモンの2人とのお笑いヒップホップユニット「ビッグポルノ」として活動し、2008年に音楽フェス「コヤブソニック」を立ち上げるなど、音楽好きな芸人として知られている。

 2011年からは、独自の目線で世の中に斬り込むドキュメントバラエティー「BAZOOKA!!!」(BSスカパー!/2019年終了。2022年からABEMAで配信)でMCを担当。番組の人気企画「高校生RAP選手権」で言葉が出てこない高校生MCを見て、「これは芸人でやるべきや」と芸人同士のグダグダなMCバトルを最初に仕掛けた発起人でもある。

■世間の想像の少し上を狙う

 その後、同番組のプロジェクトで結成された5人組バンド「ジェニーハイ」では、ドラマーとして参加し音楽番組にも出演。一方で、千原ジュニア、フットボールアワー、小籔の4人のYouTubeチャンネルから生まれたバンド「バレンシアガ」でも、解散と再結成を繰り返し話題になるなど、小籔のキャリアを語るうえで音楽は外せない。

 昨年、本人にインタビューした折、「音楽とお笑いは基本一緒」と口を開き、続けて「曲もネタも、世間の想像の少し上を狙うというのも近いですよね。ベタすぎてもトガりすぎてもダメなところも同じ」と語っていた。オーディション番組における存在感は、アーティストへのリスペクトがあってのことだろう。 

(お笑い研究家・鈴木旭)

  ◇  ◇  ◇

 このほど亡くなった中山美穂さんは、ジェニーハイの新垣隆氏と一緒に登壇していた仕事があった。【もっと読む】会場どよめき…中山美穂とピアニスト新垣隆氏は“同い年”…では、その様子を伝えている。

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