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世界で大流行…海外旅行に行く人は「デング熱」に注意!

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月14日 9時26分

 では、いまの私たちができることは何なのか?

「デング熱を媒介するネッタイシマカやヒトスジシマカは昼間活動する蚊です。熱帯では室内でもネッタイシマカに刺されることがあります。特に昼間は皮膚の露出が少ない服装や虫よけの使用などを心がけましょう」(砂原助教)

 デング熱流行国から帰国し体調がすぐれないときは医療機関を受診する際に、デング熱の流行国に行ったことを伝えるのは言うまでもない。

「虫よけ」はさまざまなタイプが発売されているが、一部東南アジアでは、日本メーカーが開発した新発想の虫よけクリームが人気になっている。化粧品にも使われるシリコーンオイルを肌に塗ることで、血を吸うため肌に降り立った蚊が足を取られる感覚となり、吸血前に飛び立ってしまう仕組みだという。

 なお、デング熱ワクチンは現在世界で2種類が製造・販売されている。

「デングウイルスには4種類の血清型がありますが、血清型間に免疫交差性が乏しく、異なる血清による2回目感染時には最初の感染でできた抗体が防御でなく逆に増強となり、重症化する可能性があります。これを抗体依存性感染増強(ADE)と呼びます。世界で最初に承認されたサノフィ社のデング熱ワクチンは感染歴のない人が接種すると、ADEによると考えられる重症例が多数報告されたことから、感染歴のある人が対象のワクチンとなっています」

 最近登場した武田薬品工業のデング熱ワクチンは感染歴のない人でも効果があることが検証されているが、日本ではまだ必要とされるケースが少ないこともあり、発売されていない。

 蚊は世界で最も人間を殺している生き物で、毎年75万人が蚊が媒介する感染症で亡くなっている。うち数万人はデング熱によるものだ。デング熱を媒介する蚊の生息地域は、地球温暖化により拡大の一途をたどっており、いずれ人類の半分がデング熱感染リスクを抱えるとも予想されている。渡航予定者はもちろんのこと、そうでない人も蚊には注意したいものだ。

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