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裏金選挙で落選の武田良太 「政治とカネ」で国会が大モメの最中に東京事務所を開設した狙い

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月15日 9時26分

裏金選挙で落選の武田良太 「政治とカネ」で国会が大モメの最中に東京事務所を開設した狙い

武田良太元総務相(左)は二階俊博元幹事長の片腕として集金力は断トツ(C)日刊ゲンダイ

【永田町番外地】#4

 先の衆院選(福岡11区)で議席を失った旧二階派事務総長の武田良太元総務大臣(56)が、9日付で東京事務所を開設した。

〈今回の選挙結果を真摯に受け止め、深く反省し、原点に戻り、「ゼロからのスタート」を切る決意をしております。(中略)志や情熱はこれからもかわりません〉

 かねて武田と親交ある自民党議員に届いた案内状には、こんな文言がしたためられていた。

 今回、「裏金事件」の逆風を受けてのまさかの落選だったが、早くも次期衆院選への出馬に強い意欲を示したものだ。

「でも、政治とカネの問題で改正案が揉まれている時だからタイミングが悪いよね。今はおとなしく、地元に張り付いておわび行脚をやっていた方が本人のためだし、党のためでもあるんだけど」

 同じく案内状を受け取った自民党議員の秘書はこう言った。

 折しも国会は最大の懸案だった“103万円の壁”を巡り、政府与党と国民民主党の合意を受け、週明け17日にも今年度補正予算が成立する運びだ。残る焦点は先の衆院選で連立与党を過半数割れに追い込んだ自民党派閥裏金事件に端を発した政治資金規正法関連法案の扱い。来夏に参院選を控え、与野党の駆け引きは一段と激しさを増す終盤国会である。

 1926万円の不記載で武田が国民有権者に厳しく指弾されたひとりであれば、この時期、派手な政治的動きは厳に慎むべきところだが、さにあらず。

 武田事務所は国会に近い、衆院議員宿舎(東京都港区)に隣接する高級マンションの一室だが、前出の秘書はその意図を次のように裏読みする。

「武田さんは親分の二階(俊博)さん同様、潤沢な政治資金にモノをいわせ、与野党議員を手なずけ、出世の階段を駆け上がってきた人ですからね。バッジを失ったとはいえ、自分が毒まんじゅうを食わせた議員や官僚にニラミを利かせ、政治力に衰えがないことを誇示することで現職時代と変わらぬ集客(陳情)力、集金力を維持したい考えなんでしょう。その意味では過去に小沢一郎をはじめ名だたる大物政治家の事務所があったマンションでもあり、ハッタリをかますには絶好のロケーションですよ」

 ちなみに武田が2023年に集めた資金は2億円を優に超え、自民党内で断トツの資金力を見せつけている。この年、自身の政治資金パーティーの挨拶で「パーティーは政治家にとって重要な政治活動のひとつだ」と、うそぶいてもいた。政治資金規正法の改正に向けた自民党の本気度が問われよう。

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