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甲子園で役に立つタッチアップの心得…三塁走者は二走へ「合図」を送ってからスタートを切れ(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月15日 9時26分

甲子園で役に立つタッチアップの心得…三塁走者は二走へ「合図」を送ってからスタートを切れ(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)

タッチアップにも「技」がある(C)日刊ゲンダイ

【松坂、筒香を育てた小倉清一郎 鬼の秘伝書】#214

 今回も1点をもぎ取る「走塁編」だ。

 走者二塁で打者が安打を放ったケース。打者走者が二塁へ進塁できるかどうかは重要なポイントだ。

 まず、これに付随してカットマンの話をすると、中前打の際、本塁までの中継には一塁手、二塁手、遊撃手が入る3パターンがある。二塁手と遊撃手の両方が打球を追った時のみ、一塁手がマウンド付近でカットに入る。安打性の打球が二遊間に飛んだ際、通常は一塁ベースより後方からカットに入ることが多いが、これだと遅れてしまう。一塁手はまずベースより少し前(できれば3メートル)に移動する。二塁手か遊撃手が捕球したら一塁への送球に備えて素早く一塁ベースへ。打球が抜けた場合は、マウンド付近へカットに走るため、一塁ベースより前にいた方が近いからだ。

 ここで打者走者の判断に戻る。まず確認しておきたいのは外野手の位置。「深めの守備位置」なら楽々セーフだから本塁へ投げないケースもある。問題は二塁走者の本塁生還がギリギリになる「前進守備」のケースである。

 ライト前、レフト前の際、外野手が捕球した瞬間に、二走が三塁ベースを回って2~3メートルの時点、センター前なら三塁ベースを踏んだのと同時くらいなら、本塁でクロスプレーになる。つまり、バックホームされるだろうから、打者走者は二塁へ進まないといけない。外野手からいい返球がきてノーカットの時、外野手からダイレクトで本塁へ投げるような高い送球の時も二塁へゴーだ。

 無死か1死なら状況判断が求められる。迷ったら行かないことだ。クロスプレーのタイミングで2死のケースは、多少リスクを冒してでも二進して欲しい。注意するのは、少し返球がそれた時。体勢を崩したカットマンは本塁へ投げないかもしれない。うかつに飛び出すと、一、二塁間で挟まれる。だから、打者走者は送球の軌道とカットマンの動きを注視し、動いたら返球がそれていることになるため、打者走者は一塁で止まらないといけない。

 次に無死、もしくは1死で、二、三塁か満塁の場面の二走の判断だ。

 外野への飛球で二走がタッチアップする際、三塁走者の動きは重要になる。自分がスタートを切っても三走が止まっていたら痛恨のミス。ヘタをすれば併殺だ。私は三走にスタートを切る前に二走へ「合図」を出すよう指導している。

 三走はタッチアップして本塁へ向かうつもりなら、右でも左でもいいから手を1度回してからスタートを切ること。これで後に続く二走や一走が安心してダブルタッチアップができるのだ。

 私が指導した高校以外でこれをやっているチームは、甲子園でもあまり見たことがない。ここまで細かくやらないと、甲子園では1点に泣くケースが出てくる。

 これらの練習は1週間に2、3回、1回20~30分でいいから反復すること。走塁が苦手なタイプの選手に、3週間後に抜き打ちテストをやるのも効果的だ。

(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)

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