仕事を失うことは命を失うのも同然…見栄晴さんは下咽頭がんの手術を選ばなかった
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月16日 9時26分
見栄晴さん(C)日刊ゲンダイ
【独白 愉快な“病人”たち】
見栄晴さん(タレント/58歳)
=下咽頭がん
◇ ◇ ◇
「たぶん“がん”だと思うので、病院に行ったら予約を早くしてくれるように初めにお願いしてください」
今年の1月、診てもらった耳鼻科を出てすぐ、追いかけてきた看護師さんにそう言われ、さすがに動揺しました。
お正月に家族旅行から帰ってきた翌日だったかな。喉の違和感が長く続いていたので、この機会に耳鼻科に行こうと思ったんです。大したことはないけど念のため……といった感じの気楽な受診でした。
症状としては、2年ぐらい前からのみ込むときに喉がチクッとしていたことと、1年前から冷たいものやお酒がしみたり、ときどきむせることぐらい。耳鼻科でそれを伝えると、鼻からカメラを入れて写真を撮りました。すると「これはうちでは診られません。紹介状を書きますから」と大きな病院をすすめられたのです。なんとなく嫌な予感がする中で、例の「たぶん“がん”だと思うので……」という看護師さんの言葉でした。
午前中だったので、少し冷静になろうとランチを食べてから家に帰って妻に一部始終を話し、それからすぐに紹介状の病院に電話をして、翌日診てもらうことになりました。その病院で「細胞を採ってみないとはっきりとはわかりませんが、見た感じがんだと思います」と告げられ、初見で「下咽頭がんの疑い」という診断になり、話がどんどん進んでいきました。
正直、実感が湧きませんでした。家族や親戚でがんになったという話を聞いたことがないんです。なので、がんの知識がほとんどなく、「がんだとしても手術で取れば治るんだろう」と気楽に考えていました。
まだ確定前でしたが、提案された治療法は「手術」か、「抗がん剤+放射線」かの二者択一で、後者を選びました。なぜなら、手術でがんを取り除けば抗がん剤+放射線治療よりも再発の確率は低いけれども、声帯を取ることになるので声を失うと聞いたからです。
声を失うことは仕事を失うこと。仕事を失うことは命を失うのも同然だと思って、手術という選択肢は早々に消えました。「僕は芸能界の仕事をしていて、声を失うと仕事ができなくなってしまうので手術はしません。手術以外の方法で最善を尽くしてください」と懇願し、「その代わり、実験的な治療でも何でもやります」と訴えました。
このとき、主治医が「見栄晴」をまったく知らなかったことが発覚して、「がん」と言われるよりもショックでした(笑)。30代の先生なので仕方ないですけど……。
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