ワールドシリーズに勝ったドジャース、負けたヤンキースの「決定的差異」【メジャー2024「データ野球」の内幕】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月17日 9時26分
ヤンキースを下しワールドシリーズ制覇したドジャースナイン(手前右、大谷翔平) (C)ロイター/USA TODAY Sports
【メジャー2024「データ野球」の内幕】#1
今さら言うまでもないが、今年のワールドシリーズを制したのはドジャース、敗れたのはヤンキースだ。
両リーグ、しかも東西を代表する人気チームの対戦、大谷対ジャッジという超スーパースターの激突で、いやが上にも盛り上がること必至。実際、ここ数年は見られなかったほどの注目を集めたシリーズであったことは事実だ。
しかし、その盛り上がりゆえ、勝ったドジャース以上に全米中、また大谷効果でチャンネルを合わせたであろうたくさんの日本のメジャーリーグファンに、それこそあまりにみっともない負け方をさらしてしまったヤンキースの方が印象に残るのではないか。
両チームのワールドシリーズにおける主なスタッツを見ると、数字的にはほぼ互角だった。
【ドジャース】打率.206、本塁打7本、得点25、防御率4.80
【ヤンキース】打率.212、本塁打9本、得点24、防御率3.83
ワールドシリーズともなれば、お互いデータ分析を駆使し、相手チームのことをとことんまで研究しあって臨む。しかし、勝敗を決したのは打球の初速でも角度でも投球の回転数でもなく、ましてや相手投手、打者の傾向分析など今どき、当たり前のデータとは何の関係もない野球の基礎、つまり当たり前のプレーを当たり前にこなせるかどうかという野球に対する“スタンス”だったと言っても過言ではない。単純にヤンキースは野球がヘタクソだったのだ。
お互い戦力は拮抗しており、がっぷり四つに構えた場合、どちらが勝つかはわからない。ただ、ドジャースの勝因はチームのフロントがヤンキースの基本の欠如を最大の弱点と捉えたうえで、そのことをしっかりと選手たちに伝え、選手たちがその分析通りにプレーを実行したからに他ならない。
実行したとはどういうことか。それは当たり前のことができない相手に、当たり前のことをやらせようとしただけ。打球を追わせる、送球をさせる、走塁をさせる、そうすれば、いつかは自分たちでミスを犯し、墓穴を掘るはず。そしてその通り、ヤンキースは自らのミスで自滅した。
ミスをした選手個人を責めることは簡単だ。フライを落としたジャッジが悪い。悪送球したボルピーが悪い。一塁ベースカバーを怠ったコールが悪い、その通りだ。しかし、こういったプレーが起こるのは、そのようなプレーを普段からしているからである。
それは選手個人の才能とは関係ない。正しいプレーをする、というチームとしての当たり前のカルチャーがあるかないかの問題だ。
(米紙コラムニスト=ビリー・デービス)
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